経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

5月は、生産財、最終需要財ともに出荷に対して低下に寄与。耐久消費財は大きく前月比低下し、輸送機械を除く資本財の出荷は前月比プラスを維持している。

生産財出荷は前月比低下、少し水準も落ちている

 鉱工業出荷指数の需要先用途別分類である財別指数をみることで、財需要の動向をみることができます。

 平成29年5月の財別出荷指数の動きを見ると、まず全体のほぼ半分を占める生産財(事業活動の中間投入として利用される、素材や部品)の出荷は、指数値99.0、前月比マイナス2.9%と2か月ぶりの低下となりました。5月の生産財出荷低下の主要因は、電子部品や自動車部品などの出荷低下です。

 今年に入って前月比の方向が月々入れ替わりますが、グラフの形状をみると、昨年12月からの比較的高い水準から若干落ちてきています。5月の生産財の出荷の勢いは少し弱かったようです。

 

 

最終需要財の中では、非耐久消費財以外は低下するも、資本財(除.輸送機械)の出荷は伸びている

 生産財と出荷ウェイト全体を2分する最終需要財の出荷は、指数値97.8、前月比マイナス2.9%低下となりました。出荷全体への低下寄与としては、5月は最終需要財と生産財が、概ね2分していることになります。

 最終需要財の中では、非耐久消費財の出荷は前月比横ばいでしたが、他の3分類の出荷は全て前月比低下となっています。

 ただ、資本財の出荷低下については、注意が必要で、資本財から輸送機械品目を除外した、資本財(除.輸送機械)の出荷は前月比2.1%と2か月連続の上昇となっています。指数値も118.9と、平成27年1月(指数値123.6)以来のもので、ここ数年の中でも、最高レベルの出荷水準と言え、そのような状態が4月、5月と続いていることになります。

 5月のこの資本財出荷のけん引品目は、フラットパネル・ディスプレイ製造装置、半導体製造装置でした。

 逆に、耐久消費財出荷は、指数値83.4、前月比マイナス7.4%と2か月ぶりに低下となりました。4月の上昇幅が7.6%で、指数値も久方ぶりに90台となりましたが、結局その上昇幅分が5月に低下してしまい、水準も昨年平均よりも若干高いレベルにもどりました。

 5月の耐久消費財出荷の低下寄与品目は、普通、小型の乗用車でした。

 

 

財需要のバランスは、設備投資用の財にシフト

 財別出荷指数の前月比をレーダーチャートに配置して、4月の前月比と5月の前月比のバランスを比較してみます。

 4月の鉱工業出荷は前月比プラスで、財別出荷指数は全て前月比上昇でしたが、上昇幅が大きかったのは、耐久消費財と資本財(除.輸送機械)でした。ただ、比較的バランスの取れた伸びを示していました。

 5月の財別出荷指数の前月比のレーダーチャートの配置をみると、耐久消費財の出荷が際立って前月比マイナスをみせ、耐久消費財の頂点が中心部に落ち込む形でチャート上の五角形が大きく歪んでいます。同時に、資本財(除.輸送機械)の出荷は前月比プラスを維持しており、チャート上の五角形を上に尖らせています。

 需要先別の分類でいうと、各財の出荷は全体的に縮小していましたが、設備投資向けの資本財(除.輸送機械)の需要だけが堅調となっており、5月の財別出荷の前月比バランスは、企業の投資に供される設備類にシフトしていたようです。

 

 

 なお、5月の需要の内外需の別については、来る7月7日に、国内向け出荷、輸出向け出荷の別を集計した出荷内訳表を公表しますので、そちらをご覧ください。

 

 

 

◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

 

◎図表集のページ

鉱工業指数参考図表集(平成29年5月速報)

 

 

 

◎データ掲載PDF

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2010_201705sj.pdf

 

 

 

 

f:id:keizaikaisekiroom:20170704130412p:plain