経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

今年5月は、14業種が生産低下業種で、やはり反転低下業種が多い。乗用車関係は計画通りに生産抑制。集積回路とそれらの製造装置の生産は、4月に続いて堅調。

15業種のうち、14業種が低下。主要業種は、4月から反転低下

 平成29年5月の鉱工業生産は、前月比マイナス3.3%と大幅低下だった訳ですが、15業種のうち14業種が前月比低下となりました。この低下14業種のうち、8業種が4月の上昇からの反転低下業種でした。ただ、ほぼ全ての業種が低下業種だったこともあり、3か月ぶり(繊維工業)、4か月ぶり(プラスチック工業、非鉄金属工業、窯業・土石製品工業)に生産を低下させる業種も出てきており、5月は全業種的に生産が低下しているようです。

 5月の生産低下への影響度、寄与が大きいのは、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業の2業種でした。ただ、鉱工業全体の生産低下の75%以上が輸送機械工業の低下によるものでした。はん用・生産用・業務用機械工業の低下度合いは、全体の10分の1程度であり、輸送機械工業とはかなり差があります。

 寄与3位以下の業種の寄与は、はん用・生産用・業務用機械工業の半分程度のものとなっており、輸送機械工業の寄与の10分の1以下です。

 よって、5月の鉱工業生産の低下は、主に輸送機械工業の低下によるものであり、その低下に、はん用・生産用・業務用機械工業の低下寄与も加わって、大きめの前月比低下となったということになります。

 

 

輸送機械工業は、乗用車を中心に前月比マイナス11.7%低下

 5月の輸送機械工業の生産は、前月比マイナス11.7%低下と、4月の10.8%上昇をほぼ払拭する大きめの低下となりました。ただ、この5月の生産抑制は、あらかじめ決められた減産で、4月実施の予測調査の時点から、5月の減産は計画されており、その計画値に比べると5月実績は若干多い位です。特に5月の需要が減退したということではありません。GWの日程が影響している面もあります。

 基本的には、普通乗用車、シャシー・車体部品、自動車用エンジンといった4月の上昇寄与品目が、5月の輸送機械工業の生産低下寄与品目となっており、反動的な生産減ということになります。

 

 

はん用・生産用・業務用機械工業の低下にも反動の側面がある

 5月のはん用・生産用・業務用機械工業の生産は、前月比マイナス2.6%低下となりました。この業種としては、低下幅はそれ程大きなものではなく、指数値120.9も、平成28年の指数値112.5、今年第1四半期の指数値117.2よりも高い状態です。

 5月の低下寄与品目は、ショベル系掘削機や金属工作機械の一種である専用機といった4月の生産上昇寄与品目が中心となっています。

 ただ、4月の生産上昇寄与品目のうち、フラットパネル・ディスプレイ製造装置は、5月も生産が増えています(前月比58.6%)。関連する半導体・製造装置の生産も前月比上昇しています(前月比24.0%)。実は、「半導体・フラットパネル製造装置」は、生産上昇寄与が最も大きかった品目(群)となっており、はん用・生産用・業務用機械工業全体は若干の前月比低下でしたが、電子部品の製造装置はこの2か月好調な生産となっていました。

 

 

 5月は電子部品・デバイス工業の生産は前月比マイナス1.1%低下ではありますが、低下寄与としては低下14業種中8位であり、全体に及ぼした影響としては、ごく小さなものです。低下した品目は中小型の液晶素子などとなりますが、半導体集積回路の生産は前月比上昇しており、業種全体として生産が不調ということではありませんでした。

はん用・生産用・業務用機械工業の「半導体・フラットパネル製造装置」の生産が上昇していたように、世界全体として電子デバイス、そしてそれらを製造する設備の生産、需要は4月、5月と堅調だったということになります。

 

 

 

◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

 

◎図表集のページ

鉱工業指数参考図表集(平成29年5月速報)

 

 

 

◎データ掲載PDF

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2010_201705sj.pdf

 

 

 

 

f:id:keizaikaisekiroom:20170703104135p:plain