経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成29年5月、生産、出荷は反動減もあり前月比低下。生産の抑制が効いて、在庫は微増でも、在庫率は3か月ぶりに低下し、在庫の重石は低減。

5月生産は前月比低下、それでも3月の指数値よりも高い生産水準

 平成29年5月の「生産」は、季節調整済指数100.4、前月比マイナス3.3%低下となりました。前年同月比は6.8%上昇で、7か月連続で前年同月比上昇が続いています。

 さすがに、4月の生産指数が非常に高い数値でしたので、そこから反動的に数値が低下することは避けられません。また、GWの日並びから無理に操業しない事業所もあったとみられ、生産は前月比で低下となりました。

 とはいえ、その低下幅は、4月の上昇幅よりも若干小さかったことから、5月の指数値は3月の指数値を超えており100台を維持しています。前年同月比の上昇幅も大きく昨年に比べ生産水準自体は比較的高い水準を維持しています。

 これで、今年第2四半期のうち2か月分の結果がでました。4月、5月の生産指数の平均の指数値は、102.1となり、今年第1四半期の指数値100.0を上回っています。6月の生産が大幅減産、マイナス5%近い減産にならない限り、第2四半期も前期比上昇を維持し、5四半期連続の前期比上昇となる計算になります。

 

 

鉱工業出荷も前月比低下、ただし在庫率は改善している

 5月の鉱工業出荷は、指数値98.3、前月比マイナス2.8%の低下となりました。5月自体の出荷のレベルは、昨年第4四半期や今年の第1四半期よりも若干低めとなっています。

 ただ、4月の出荷水準が高かったこともあり、4月と5月の出荷指数の平均は99.7とまだ高い水準を維持しています。6月出荷に大きめの低下がない限り、第2四半期の鉱工業出荷は、2期連続の前期比低下は避けられるという計算になります。

 

 

 また、5月は、生産が抑制された結果、出荷が前月比マイナスとはなっても、在庫の前月比上昇幅は0.1%上昇と微増に留まりました。

 さらに、出荷に対する在庫の蓄積具合をみると在庫率指数は3か月ぶりの改善となり、前月比マイナス1.9%低下となりました。在庫率指数の前年同月比は昨年11月から7か月連続の低下となっています。

 在庫の絶対水準は上昇気味であったものが、5月は横ばい程度に抑制されつつあり、出荷見合いの在庫率が改善されていることも踏まえれば、5月の在庫は良くコントロールされているとは言えるかと思います。

 ただ、前期末(3月)の在庫指数109.7と比較すると、5月末の在庫指数111.4は若干高い状態であり、6月の出荷動向によっては、在庫の2期連続上昇も十分あり得るでしょう。

 

 

在庫循環は「在庫積み増し局面」

 生産指数は前月比マイナス3.3%、出荷指数は前月比マイナス2.8%と、生産抑制の度合いに比べれば、出荷の落ち込みは多少緩和されているため、出荷減でも在庫上昇幅は微増に留まっています。

 よって、4月、5月のデータで在庫循環図を見てみても、4月単月の在庫循環図からあまり変化していません。平成26年第1四半期以来ほぼ3年ぶり(13四半期ぶり)に「在庫積み増し局面」にあることは変わらずという状態です。「在庫積み増し局面」とは、企業が積極的に生産し、在庫水準が上昇している局面で、景気拡大期の後半に出てくることの多い局面です。この在庫循環図からは、5月、あるいは第2四半期は、鉱工業生産の「山」に到達している訳ではありませんが、「山」が視野に入ってきているということを示唆する結果です。

 

 

 

◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

 

◎図表集のページ

鉱工業指数参考図表集(平成29年5月速報)

 

 

 

◎データ掲載PDF

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2010_201705sj.pdf

 

 

 

 

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