経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

4月の全産業活動指数は、前月比2.1%と2か月ぶりの上昇。3月の大幅低下を大きく上回る伸びとなり、指数水準も平成20年前半に迫る高水準。単月では強い動きだが、引き続き緩やかな上昇基調にある。

2か月ぶりの上昇、4月の指数水準は105台の高水準

 平成29年4月の全産業活動指数は、指数値105.4、前月比2.1%と2か月ぶりの上昇、3月の大幅低下を補う以上の伸びとなりました。平成22年基準指数(平成20年1月~)では平成23年6月に次ぐ2番目の上昇幅であることから分かるように、全産業活動指数の前月比がこれほどの伸びをみせることは滅多にありません。

 

 

 このところ高水準にあった指数値も、特別なイベントがある訳ではない、「平時」において、平成20年前半に迫る更に高い水準、つまりいわゆるリーマンショック前の水準に近い水準になっています。

 

4月は、サービス業、鉱工業、建設業すべてが強い動き

 4月の結果を産業別にみると、第3次産業(サービス産業)活動、鉱工業生産、建設業活動のすべてが上昇し、全産業活動全体は大幅上昇となりました。3系列とも比較的大きなマイナスとなった3月から一転、いずれもプラス方向への強い動きとなっています。

 鉱工業生産は、4月は前月比4.0%の上昇と、輸送機械工業が乗用車関連の生産増により大きく寄与するなど力強い動きをみせました。

 サービス産業活動は、3月まで4か月連続の低下でしたが、4月は前月比1.2%の上昇でした。情報通信業、「金融業,保険業」、生活娯楽関連サービスが大きく寄与し、それまでの連続低下を打ち消す大幅上昇となりました。

 建設業活動は、昨年秋以降の動きが弱く、足元の2月、3月と連続低下でしたが、4月は前月比7.3%の大幅上昇となりました。

 

 

高水準を演出したのは、建設業

 今年4月の全産業活動指数の水準は、リーマンショック前に近い水準になっているのですが、この現象を生み出しているのは、建設業活動指数です。

 平成20年平均の全産業活動指数は105.5で、今年4月は105.4です。これに対し、鉱工業生産指数では、平成20年の110.7に対し、今年4月は103.8、第3次産業活動指数では、平成20年の103.8に対し、今年4月は104.8です。

 建設業活動指数では、平成20年が108.4に対し、4月は118.9と1割近い上昇となっています。この大きな上昇が、久方ぶりの全産業活動指数の高水準を生み出しています。

 

基調的な動き

 4月の各指数の基調判断は、鉱工業生産は「持ち直しの動き」、サービス産業活動は「横ばい」と据え置かれています。

 建設業活動では、この4月に瞬間的には強い動きがみられましたが、公共事業の動きが不明瞭であること、民間の住宅建築の動きが弱くなりつつあることなど、不安定要素も存在しています。

 よって、今年4月の全産業活動については、単月の動きには強さがみられ、指数水準も高いのですが、基調的には緩やかな上昇傾向に留まっていると評価するべきかと思います。

 

 

◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

 

 

◎データ冊子

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/zenkatu/result-2/pdf/IAA_press_201704j.pdf

 

 

 

 

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