経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

ちょっと手を出しにくくなったなと思うのは、スーパーの食品ですか?ファミレスのセットメニューですか?;内食と外食、価格の変化と意外な結果

 6月に入り、郵便はがきの値段が上がったのはご存知でしょうか。他にもバターやビールなど食に関するものも値上がりしました。家計を預かる身としては、毎日の生活に欠かせない食の値上がりから、やはり支出を手控えたくなるところです。

 今回は、私たちに一番身近で欠かせない「食」に関して、関係する産業の活動状況を確認し、価格の動きやその影響についても調べてみました。

 

内食の低下傾向に対し、外食は基調的には水準を維持

 まずは、家で食べる「内食」向けの産業の指標として「飲食料品小売業」活動指数と、お店で食べる「外食」産業の指標として「飲食店、飲食サービス業」活動指数の推移を比較してみると、大きく2点の違いを見出すことができます。

 

 

 第1に、2014年の消費税率引上げの影響は、「内食」には大きく出ましたが、「外食」ではほとんど影響が見られませんでした。

 第2に、2016年後半以降、「外食」は3期連続の上昇となり、低下基調の継続する「内食」と対照的な動きが発生しています。ただ、今年の第1四半期には、「内食」も2015年第4四半期以来、1年ぶりに前期比上昇となり、変化も見られました。

 いずれにせよ、消費税率引上げをはさんだこの3年ほどの間、「内食」の低下基調に対し、「外食」が緩やかな逆S字の動きを見せ、消費税率引上げ前と比べて、基調的に活動水準が維持されています。

 

価格上昇とともに低下する内食、価格上昇があっても水準維持の外食

 では、昨今の食関連の価格の変化はどうなっているでしょうか。「内食」と「外食」のそれぞれの活動指数を、それぞれの価格変動と重ねて、その推移を再確認してみます。

 

 

 「内食」は、消費税率引上げ後、相対的に急角度で価格を上昇させています。それに応じて、飲食料品小売業の活動指数は低下しており、結局、総額としての飲食料品小売業販売額では、価格上昇分が相当程度、活動低下(販売数量の低下)によって相殺されています。文字通り、「値段が上がったので、買い控え」という様相です。

 他方、「外食」は、相対的に価格上昇は緩やかで、活動水準には、一時的な落ち込みはあっても、その水準は維持されています。価格上昇と活動量上昇が併存している局面も見られ、「内食」とは好対照な動きです。

 同じ「食」に関する産業でも、「内食」と「外食」では価格変動と活動指数の動きの関係に、大きな違いがあることが分かりました。この「違い」を踏まえると、「手を出しにくくなっている」のは、ファミレスのセットメニュー(外食)というよりも、スーパーの食品(内食)のようです。

 さて、次回は、「外食」における価格上昇と活動量上昇が併存の現象の背景・内実や、その影響についてさらに掘り下げてみたいと思います(外食の業況の背景には、高価格帯シフトがある。その影響は、内食/外食のスタッフ賃金の差にも見いだせる。)。

 

 飲食料品関連産業全体の動向を把握できるよう試算した経済指標「フード・ビジネス・インデックス(FBI)」の最新のミニ経済分析を公表していますので、ぜひ御覧ください。

 

 「生産、流通、サービス3業態揃って前期比上昇で大きな前期比上昇を見せたフード・ビジネス;飲食関連産業の動向(FBI 2017年第1四半期)」(2017/5/26ミニ経済分析)

http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20170526minikeizai.html

 

 

 

◎ひと言解説の一覧表

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