経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

今年4月の対個人サービスは、前月比上昇で、上昇幅も大きめ。プロスポーツ観戦、買物、観光などに人が動いて、サービス全体を押し上げている。

対個人サービスは3月の大きめの低下から、4月は反転上昇

 第3次産業活動指数は、大きく「広義対事業所サービス」と「広義対個人サービス」に分けることができます。

 4月の対個人サービス活動指数は、指数値105.7、前月比1.8%と2か月ぶりの上昇となりました。ただ、2か月ぶりとは言っても、今年の2月まで2か月連続前月比上昇、その前は昨年10月から12月まで3か月連続の前月比横ばいでした。

 3月は、プロスポーツの開催日程の例年との違いなどもあって、対個人サービスの活動が大きく落ち込みましたが、結局それは一時的なものに留まりました。

 

 昨年の対個人サービスの変動幅は小さく、低下もしないが、上昇もしないという状態でした。ただ、4月の対個人サービスは、3月の低下分を大きく上回る上昇をみせ、指数値105.7は、消費税率引上げ後の最高値となっています。

 

対個人サービスは、全般的に大きく上昇

 対個人サービスは、生活必需的性格の強い非選択的個人向けサービスと、条件変化による変動が大きいし好的個人向けサービスに分けることができます。

 この4月は、「非選択的」サービスが前月比1.5%と5か月ぶりに前月比上昇で、「し好的」サービスも前月比2.0%上昇と、両サービス揃っての前月比上昇でした。

 

 

 4月の対個人サービスの前月比上昇幅は、ここ数年にない大きな上昇幅となっていますが、この上昇に対する、非選択的サービス、し好的サービスそれぞれの貢献、寄与はほぼ同程度でした。4月は、対個人サービスが全般的に上昇していたことになります。

 なお、非選択的サービス、し好的サービスの両方が前月比上昇となるのは、昨年11月以来です。しかし、その上昇幅は非常に小さいものでしたので、この4月とは同列には評価できないように思います。そうなると、一定の上昇幅で両サービスが伸びたのは、昨年6月まで遡ることになります。つまり、対個人サービスの内訳2分類が、ともに一定の上昇寄与を見せるのは、10か月ぶりということになります。

 

プロスポーツ観戦や買物、そして観光に人が動いている

 4月の「し好的」個人向けサービスの上昇に貢献した個別業種を上位から見ていくと、プロスポーツ観戦、マンション分譲業(首都圏)、ホテルが並ぶほか、織物・衣服・身の回り品小売業、ゲームソフト、自動車小売業といった個人消費関係の個別業種も寄与上位業種となっています。

 家電製品などが中心の機械器具小売業の指数は4月前月比低下ですが、衣料品や自動車、そしてマンションなどでの家計の購買行動は活発でした。

 また、上昇寄与業種の「ホテル」がありましたが、4月の観光関連産業活動指数は指数値109.3、前月比2.0%と大きく上昇しています。この指数値109.3は、過去最高値です(これに次ぐのは駆け込み需要期である平成26年3月の108.1)。

 いわゆるリーマンショック前の平成20年の観光関連産業活動指数の水準も103~104台ですので、現在の観光関連産業は、その水準を大きく超えています。

 訪日外国人の国内消費も昨年まで5年連続で前年比上昇していますが、日本人の国内観光消費も堅調であると言えるでしょう。

 

4月は対個人サービスが、サービス産業全体の押し上げ役

 この4月はサービス産業を二分する対個人サービスと対事業所サービスの両サービスが前月比上昇となっています。伸び幅には少し差があり、対個人サービスの前月比1.8%上昇に対し、対事業所サービスは前月比0.7%上昇でした。

 この結果、サービス産業全体の上昇に対する貢献、寄与では、対個人サービスが対事業所サービスの2倍になっており、4月は、対個人サービス主導の伸びであったことが分かります。

 

 3月は特殊要因もあって、対個人サービスも前月比低下となりましたが、今年に入ってからの推移を総じて見れば、対事業所サービスの低下を、対個人サービス、なかんずく「し好的」個人向けサービスの上昇が補って、サービス全体が大きく落ち込まないようにしていました。

 この4月は、対事業所サービス、そして対個人サービスの各内訳と、3系列揃っての前月比上昇となり、サービス産業全体の大きめの前月比上昇を生み出す結果となりました。

 

 

 

◎結果概要のページ

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◎データPDF 

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/pdf/ITA_press_201704j.pdf

 

 

 

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