経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

今年5月の製造工業生産計画は、輸送機械工業の減産計画が維持され、大きく低下見込み。6月は、輸送、はん用・生産用・業務用の両機械工業の上昇によって、増産計画だが、4月の水準にまでは戻れないものの、第2四半期としてはプラスか?

5月の生産計画は前月比低下の見込み、6月は前月比上昇

 5月上旬に実施した平成29年5月、6月の生産計画を調査した、生産予測調査の結果です。

 平成29年5月の生産計画については、前月比マイナス2.5%低下を見込んでいます。6月の生産計画は、5月計画から1.8%上昇するという結果でした。

 昨年6月から12月まで7か月間上昇基調(昨年7月は前月比横ばい)であったことと比較すると、今年に入って毎月変化の方向が入れ替わる状態で、向こう2か月の生産計画もその状態です。前月比の正負が入れ替わっても、上昇月の上昇幅が大きいので、生産指数の値は大きくなっていました。

 今回の生産予測調査の結果では、5月の低下分を補えない計画となっており、6月の生産計画は、4月の生産実績を下回る可能性がある結果となっています。

 ただ、5月、6月の生産計画は、昨年同月の生産実績を1割以上上回る計画となっており、生産水準自体が、直ちに低い水準となるということではありません。

5月の生産計画は、輸送機械工業の低下によるもの

 5月の生産計画では、製造工業全体は前月比マイナス2.5%低下で、11業種中5業種で生産を減らすという計画になっています。

 その中で、前月比マイナス15.6%と大幅減産計画となっている輸送機械工業の低下寄与が非常に大きくなっています。低下寄与の度合いを2位の金属製品工業と比較すると、15倍以上となっており、輸送機械工業以外の低下業種の寄与を合計しても、輸送機械工業の6分の1にしかなりません。

 この5月の輸送機械工業の生産計画の低下は、乗用車、トラックなどにおいて、全般的に生産が抑制される結果です。5月は各社ともGWにおける連続休みを確保したようで、操業日数が少なくなっている影響が出ました。

6月は輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業が増産

 6月の生産計画では、製造工業全体は5月計画比1.8%上昇で、11業種中5業種で生産を増やすという計画になっています。

 6月の生産計画の上昇への寄与は、輸送機械工業とはん用・生産用・業務用機械工業が大きくなっています。3位の鉄鋼業の上昇寄与は、両業種の10分の1以下なので、6月の生産計画の上昇は、この2業種によるものと言って良いと思います。

 はん用・生産用・業務用機械工業では、工場内の運搬機械や工作機械類などの生産が好調となるようで、引き続き設備投資向けの製品の生産が順調です。このため、輸送機械を除く資本財の生産計画は、5月、6月と2か月連続の増産計画となっています。

 輸送機械工業では、トラックの一部を除き、生産は回復しますが、5月の低下分を補う程の増産とはならないようです。このため、5月、6月の前月比を合計しても、大きなマイナスで、向こう2か月の生産計画を押し下げる結果になっています。

 はん用・生産用・業務用機械工業は、6月の上昇分が5月の低下幅を大きく上回り、6月の生産計画が4月の生産実績を上回るという結果になっていることと好対照です。

予測調査の結果には、傾向的、規則的な予測誤差が含まれています。5月の生産計画から、予測誤差を除去する措置を講じた補正試算値では、5月の生産は、前月比マイナス3.5%低下となると見込まれます。この補正試算値まで低下しても、5月の生産レベルは3月の水準程度又はそれを若干上回るという見込みです。そうなれば、6月は前月比プラスを見込めることから、第2四半期の鉱工業生産も前期比プラスを期待しても良いようです。

 

 

◎予測指数のページ

www.meti.go.jp

 

 

◎図表集のページ

鉱工業指数参考図表集(平成29年4月速報)

 

 

 

◎データ掲載PDF

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2010_201704sj.pdf

 

 

 

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