経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

3月の全産業活動指数は、前月比マイナス0.6%と2か月ぶりの低下と、単月でみれば弱い動き。平成29年第1四半期では前期比は横ばい、指数水準は高水準をキープしており、緩やかな上昇基調を維持。

2か月ぶりの低下、3月の指数水準は再び103台へ逆戻り

 平成29年3月の全産業活動指数は、指数値103.4、前月比マイナス0.6%と2か月ぶりの低下となりました。指数値は、昨年平均を上回っており、高水準を維持しています。

 平成29年第1四半期は、指数値103.6、前期比0.0%の横ばいと5期連続でマイナス無しとなりました。

 指数水準や四半期の動きを踏まえれば、3月も緩やかな上昇基調を維持していると評価しています。

 

 

3月の前月比低下には、鉱工業生産の影響が大きかった

 3月の結果を産業別にみると、鉱工業生産、第3次産業(サービス産業)活動、建設業活動のすべてが低下したことから、全産業活動全体は低下となりました。3系列すべてがマイナス方向となるのは、平成27年12月以来です。

 鉱工業生産が大幅上昇となった2月から一転、前月比マイナス1.9%の低下となり、全産業活動の低下に大きく寄与しました。ここ3か月ほど、鉱工業生産の上下動が大きく、産業全体の動きを左右している様相です。

 サービス産業活動も横ばい基調下での小幅な低下、建設業活動も1月の大幅上昇後の2か月連続の低下となりました。

 また、前期比横ばいの平成29年第1四半期では、鉱工業生産と建設業活動が上昇したものの、サービス産業活動の低下によって打ち消された形です。

 

 

建設業活動は連続低下、民間建築の住宅と非住宅で明暗くっきり

 建設業活動は、前月比マイナス0.5%と2か月連続の低下となりました。公共事業は上昇となりましたが、民間活動の住宅建築や土木工事の低下によるものです。今年の2月は、民間の土木工事と公共事業(建築、土木)が低下要因でしたので、同じ低下でも若干様相が異なっています。 

 3月の民間の建築・土木活動では、住宅建築は、前月比マイナス0.5%と2か月連続で低下となり、最近5か月間で4回目のマイナスとなるなど、昨年秋口までの上昇傾向からみると、その動きは弱くなっています。

 一方で、非住宅(工場や倉庫など)建築は、前月比0.3%と14か月連続の上昇、その指数水準も133.9と平成22年基準指数(平成20年1月~)でみれば3か月連続で過去最高水準を更新するなど活発な状況は続いています。最近の両者の動きには明暗がくっきりとみられます。

 また、民間の土木活動は、前月比マイナス0.3%と2か月連続の低下となりました。2月の大きな低下を経ての連続低下ということで指数値も100を下回っています。

 他方、公共の建築・土木活動をみると、全体では前月比2.1%と2か月ぶりの上昇となりました。この内訳をみると、建築が前月比2.8%、土木が前月比1.6%と、双方とも2か月ぶりに上昇、2月の低下幅を上回る伸びとなりました。ただ、順調な動きを見せていた昨年前半と比較すると指数水準は依然として低く、動きには持ち直しというほどの力強さはみられない印象です。

 
 

まとめ

 平成29年3月の全産業活動は、鉱工業生産、サービス産業活動、建設業活動の三者すべてが前月比低下となり、全体としても2か月ぶりの前月比低下となりました。

 3月の各指数の基調判断については、鉱工業生産では「持ち直しの動き」、サービス産業活動では「横ばい」と据え置かれています。他方、建設業活動では、公共事業の動きが不明瞭であること、民間の住宅建築の動きが弱くなりつつあることなど、不安定要素も存在しています。

 とはいえ、平成29年第1四半期では、前期比0.0%の横ばいと、5期連続でマイナス無しとなっており、指数水準も高い状態が継続しています。

 よって、今年3月の全産業活動については、単月の動きはやや弱さがみられるものの、基調的には緩やかに上昇していると言えると思います。

 

 

◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

◎データ冊子

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/zenkatu/result-2/pdf/IAA_press_201703j.pdf

 

 

◎5分間ナレーション解説

 

 

http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/archive/kako/20170523_1.png