経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成28年の鉱工業生産は、電子部品・デバイス工業の低下により2年連続の低下だが、鉱工業在庫では、消費税率引上げ後に積み上がった在庫がほぼ解消

 経済解析室で毎月作成している鉱工業指数や第3次産業活動指数などの経済指標は、平成28年にどのような動きを見せていたのでしょうか。

 今回は、平成28年の鉱工業生産指数の業種別、財別、品目別の動向に加えて、鉱工業在庫指数の動向、在庫循環図の動きについて確認してみます。

 

鉱工業生産は、2年連続の低下

 平成28年の鉱工業生産指数は、前年比マイナス0.1%低下と2年連続の低下となりました。指数値は97.7と、平成25年の指数値97.0以来の低い水準です。

 東日本大震災後の5年ほどの鉱工業生産指数は、平成26年に指数値99.0とはなりましたが、それ以外の年は97台を推移する動きとなりました。リーマンショック前の平成20年が110.7でしたので、そこからは大分落ちた推移が続いています。

 

 

電子部品・デバイス工業の生産低下が特に大きかった

 平成28年の鉱工業指数は、化学工業や輸送機械工業などが前年比上昇となりましたが、電子部品・デバイス工業の低下寄与が特に大きく、全体としては前年比低下となりました。

 電子部品・デバイス工業の低下寄与はマイナス0.54%ポイントと、低下寄与業種全体の3分の2以上を占めており、鉱工業生産が低下した主要因は電子部品・デバイス工業の低迷であったといえます。

 

 品目別にみても、業種別で最大の低下寄与であった電子部品・デバイス工業の内訳品目である「電子部品」が最も大きな低下寄与品目となっています。

 次いで、金属工作機械、土木建設機械と、共にはん用・生産用・業務用機械工業の内訳品目が低下寄与品目の第2位、第3位にランクインしています。

 

 

製造業の中間投入や設備投資向けの財の生産が低下

 平成28年の鉱工業生産の動きを財別にみると、非耐久消費財、耐久消費財といった消費財が前年比上昇となりましたが、鉱工業用生産財や資本財が前年比で低下しました。

 全体としては、製造業の中間投入である生産財や設備投資向けの財である資本財の低下が、消費財の上昇を打ち消し、平成28年の鉱工業生産を押し下げる結果となりました。

 

 

消費税率引上げ後に積み上がった在庫はほぼ解消

 平成28年の鉱工業在庫指数は、前年比マイナス5.3%と2年連続の低下でした。指数値は106.4と、平成25年の105.7以来の低水準です。

 平成26年4月の消費税率引上げ後、27年にかけて指数値112.3まで積み上がった在庫は、ほぼ解消されたと言っていいでしょう。

 

 

 在庫循環の動きをみると、平成28年第1四半期には「在庫積み上がり局面」と「在庫調整局面」の中間点に位置していましたが、生産の上昇、在庫の低下によって、平成28年第4四半期には「在庫調整局面」から「意図せざる在庫減局面」に移行し、間もなく「在庫積み増し局面」に突入する勢いです。

 

 生産指数は、2年連続の前年比低下ではありましたが、生産がふるわなかった要因の一つである在庫の状況は明らかに改善しており、鉱工業生産の回復への重石の一つは、昨年末に解消されたようです。

 

 

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