経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

3月の輸出向け出荷は、前月比マイナスで、主に電子部品などの生産財の低下によるもの。最終需要財の輸出向け出荷は前月比上昇。

輸出向け出荷は前月比低下となったが、比較的高い水準を維持

 平成29年3月の輸出向け出荷は、指数値105.2、前月比マイナス1.9%と2か月ぶりの低下となりました。輸出向け出荷は、今年の1月には大きな低下寄与、2月は大きな上昇寄与をみせ、出荷全体の変動要因となっていましたが、3月は国内向け出荷の低下が大きく、相対的に輸出向け出荷の変動寄与が小さくなっています。

 3月の輸出向け出荷は、指数値105.2で、単月としての水準は低くはなく、むしろ高い状態にあります。輸出向け出荷は昨年11月から振幅が大きくなっているので、後方3か月移動平均をみてみても、昨年後半の「緩やかな上昇」から、昨年10月が変曲点となって、昨年末から今年初めにかけては「力強い上昇」に変化しています。

 

3月の輸出向け出荷は生産財の低下によるもの

 輸出向け出荷の需要先別用途別分類(財別分類)では、生産財の輸出向け出荷は前月比マイナス3.4%低下、最終需要財は前月比2.1%上昇でした。3月の輸出向け出荷の低下は、生産財の低下寄与によるものであることが分かります。

 

 生産財の輸出向け出荷低下への寄与では、電子部品・デバイス工業の集積回路、化学工業(除.医薬品)の石油系芳香族などが目立っています。

 

耐久消費財は2か月連続上昇だが、水準自体は今一つ

 最終需要財では、建設財は前月比マイナス3.1%低下でしたが、それ以外の財は前月比上昇でした。特に、3月は耐久消費財の輸出向け出荷が前月比3.4%で、2か月連続上昇となっており、3月の最終需要財の上昇への寄与が最も大きくなっています。

 ただ、2か月連続上昇とは言っても、今年1月の前月比低下幅がマイナス10%程と大きく、そこからの反動、回復の要素が大きいと言え、3か月平均ではまだ水準としては低い状態にあります。

 

 

 資本財全体の輸出向け出荷は前月比上昇だったのですが、設備投資に向けられる輸送機械を除く資本財の輸出向け出荷は、前月比4.3%低下と5か月ぶりの低下となりました。

 しかし、昨年後半に連続した前月比上昇があり、さらに今年2月の前月比上昇幅が10.9%と大きかったことから、3月の指数値は121.6と、この2年間としては高い水準となっています。3か月移動平均でも、今年に入って上昇傾向が強まっており、3月時点の設備投資向け財の輸出向け出荷の勢いは悪くなっていないと評価できます。

 

 

主要業種の中では、輸送機械工業の輸出向け出荷が大きめの上昇

 3月の輸出向け出荷の業種別の動きをみると、14業種中8業種が前月比低下でした。低下寄与が大きかったのは、電子部品・デバイス工業、化学工業(除.医薬品)、はん用・生産用・業務用機械工業などでした。電子部品・デバイス工業や化学工業(除.医薬品)では、2月に大きく輸出向け出荷が上昇しており、3月はその反動減的側面があります。

 はん用・生産用・業務用機械工業では、2か月ぶりの低下となっていますが、その大きな要因は、半導体・フラットパネル製造装置の出荷低下です。4月には、それらの品目の生産が回復する見込みとなっており、状況が変わる可能性が高いと思われます。

 

 

 他方、輸送機械工業の輸出向け出荷は、2か月連続の前月比上昇で、3月は指数値106.1、前月比9.5%と大きな上昇をみせ、今年1月、2月の低下分を回復して、昨年12月の指数レベルに戻っています。

 

3月の輸出全体はマイナスだが、特に欧州向け出荷の上昇寄与は大きかった

 3月の主要仕向け先別の輸出向け出荷の動きをみると、中国向け出荷の前月比低下と欧州向け出荷の前月比上昇が、好対照な結果となっています。生産財輸送機械を除く資本財の輸出向け出荷の低下には、中国向け出荷の低下の影響が出ており、この面からも、3月の中国向け出荷が不振だったことが分かります。

 

 

 

 ◎ナレーション解説

 

 

 

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