経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

4月計画は大きめの増産、はん用・生産用・業務用機械、輸送機械、電子部品・デバイス工業の「3役」によるもの。5月は輸送機械工業を除き、ほぼ4月の生産水準を維持するが、輸送機械の低下により4月計画からは低下という結果。

4月の生産計画は大幅上昇の見込み、5月は低下

 平成29年4月上旬に実施した今年4月、5月の生産計画を調査した、生産予測調査の結果です。

 平成29年4月の生産計画については、前月比8.9%上昇と、非常に大きな生産上昇を見込んでいます。前回調査の4月予測についての上昇幅は9.8%(年間補正処理後の値)でしたので、1%ポイント近く伸び幅が低下しています。これは、3月の生産実績が3月初旬の生産計画から上振れしていること(実現率0.6%プラス)、4月の生産計画が若干下方修正されたこと(修正率0.2%マイナス)によるもので、強気な面と弱気の面が交錯しています。

 この4月の生産計画に含まれている傾向的な予測誤差を補正すると、4月の前月比はマイナス5.3%程度に上昇幅が縮小する計算となっています。それでも、高い増産計画となっています。

 この4月の生産計画は、予測調査の結果のままであれば、前年4月実績に対して14%近くの増産となります。バイアス除去後の伸びで計算しても、10%近い増産となり、非常に高い水準です。

 予測調査の結果そのままは言うに及ばず、バイアス除去後の計算値(104.9)についても、それが4月に実現すれば、平成26年1月の103.2を超える生産規模となり、リーマンショック後の最高値を更新することになります。

 5月の生産計画は、バイアス除去計算はしていませんが、4月計画比でマイナス3.7%低下となります。4月の実績が予測指数からある程度低下することも踏まえれば、5月の前月比低下幅はもっと圧縮されるものと思われます。

 さらに、予測調査通りの低下があっても、その生産指数レベルは、3月実績を上回るものとなります。前年5月実績との比較でも、1割以上増産という計画ですので、この計画は、積極的な生産計画となっていると言えるでしょう。

 

4月は、製造工業全体で一定の勢いのある生産計画

 4月の生産計画では、製造工業全体は前月比8.9%上昇で、11業種中8業種で生産を増やすという計画になっています。特に上昇寄与が大きいのは、はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業の3業種です。

 はん用・生産用・業務用機械工業では、工作機械、運搬系設備、半導体・フラットパネル製造設備などの各種の工場設備のほか、建機類の生産が増える計画となっています。輸送機械では、乗用車のほか、トラックも増産されるようです。また、電子部品・デバイス工業でも、集積回路や液晶素子の品目で前月比20%以上の増産となっており、全体をけん引しています。 

 低下業種の低下寄与はいずれも微々たるものとなっており、製造工業全体で一定の勢いがある状態となっています。

 

5月は輸送機械工業、特に乗用車(完成車)の生産計画が大きく低下

 5月の生産計画では、製造工業全体は4月計画比マイナス3.7%低下で、11業種中化学工業を除く10業種で生産を減らすという計画になっています。

 5月の生産計画の低下は、ひとえに輸送機械工業、特に乗用車の生産計画の低下によるものです。輸送機械工業の低下寄与と、2位以下の業種の低下寄与を比較すると、2位のはん用・生産用・業務用機械工業で7分の1、3位の電子部品・デバイス工業は20分の1となっており、比較にならないと言えます。

 逆に言えば、4月の生産計画を上昇させていた3業種のうち、はん用・生産用・業務用機械工業と電子部品・デバイス工業の5月計画の減産は、微々たるもので、大きくは生産水準が維持されているという言い方もできます。

 5月は日並びの関係で、元々操業日が20日程度しかありません。乗用車生産の工場では、新車投入が一段落したことや、4月頭(3月末)に在庫が増えていた(軽乗用車の在庫前月比58.7%上昇、小型乗用車の在庫前月比12.0%上昇、普通乗用車の在庫前月比マイナス5.4%低下)こともあって、5月の頭の連休の谷間も操業せずに在庫を圧縮するようにしているようです。

 それでも、5月の生産計画は、昨年の5月実績を1割以上、上回った状態を維持しています。

 

 4月計画は、多くの業種での大幅な増産見込み、そして5月は輸送機械工業の大きな低下を除くと、実は他の業種の生産計画の低下幅は限定的なものとなっています。はん用・生産用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業は向こう2か月高い水準で、輸送機械工業は、4月は高いものの、5月は低いという結果でした。

 
 

 

◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

◎図表集のページ

鉱工業指数参考図表集(平成29年3月速報)

 

 

 

◎データ掲載PDF

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2010_201703sj.pdf

 

 

 

◎5分間ナレーション解説

 

 

http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/archive/kako/20170428_4.png