経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

対個人サービスは、年明けに大きく伸び、ほぼ1年ぶりの高い水準に。特に「し好的サービス」が伸びており、ここ半年間前月比マイナスがないという推移となっている。

 第3次産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス」と「広義対事業所サービス」に分けることができます。

 2月は、対個人サービス活動指数は、指数値105.4、前月比0.5%上昇と2か月連続の前月比上昇でした。ただ、「2か月連続上昇」ですが、その前の平成28年第4四半期の3か月間は横ばいが続いており、さらにその前の同年9月は前月比0.2%の上昇でした。つまり、昨年9月から半年間、実は対個人サービス活動指数は、前月比マイナスがない状態にあるということになります。消費不振が言われるなか、意外な指数推移となっています。

 2月の指数値は105.4ですが、対個人サービス活動指数が105台になるのは、平成28年3月の105.2以来、11か月ぶりです。その後、104.7を中心とした狭いレンジでの推移でしたが、この2月に大きく水準を上げました。この指数値105.4は、歴代4位の指数レベルです。

 

スポーツ観戦やゲームソフトがけん引役

 2月に2か月連続上昇となった対個人サービスには、業種面で言えば、小売業や生活娯楽関連サービスの影響が出ています。また、個別系列では、スポーツ観戦(プロスポーツ)が盛り上がっていたほか、企業向けの情報サービス業とは異なり、ゲームソフトが大きな上昇寄与を見せました。また、マンション分譲業は低調でしたが、戸建住宅売買が、特に首都圏を中心に、上昇寄与を見せました。

 対個人サービスを構成する個別系列では、低下しているものも多く、あるカテゴリーの中、例えば飲食関連の中では「食堂,レストラン,専門店」が低下、娯楽業の中では「パチンコホール」が低下となっているように、カテゴリー全体が上向くというよりは、業種の中にピンポイントで好調な系列が発生しているという印象です。

 

選択性の強い「し好的個人向けサービス」が上昇基調

 対個人サービスは、生活必需的な性格の強い「非選択的個人向けサービス」と選択性が強く、上下動し易い「し好的個人向けサービス」に分けられます。2月の非選択的個人向けサービスは、前月比横ばいです。昨年12月、今年1月の2か月連続前月比マイナスの後の2月前月比横ばいですので、勢いはありません。

 一方、し好的個人向けサービスは、前月比0.2%上昇と4か月連続の前月比上昇となりました。連続上昇となる前の昨年10月は前月比横ばい、同年9月は前月比上昇でしたので、要すれば昨年9月以降、6か月間前月比マイナスがない状態となっています。

 

 
 

飲食料品小売と外食サービスの動きに違い

 この非選択的とし好的の両個人向けサービスの動きを象徴するのが、飲食関係の指数の動きです。「非選択的」に含まれる飲食料品小売業の指数は、2月に前月比マイナス0.7%低下と3か月ぶりの低下となっています。昨年10月、11月の低い水準よりは、まだ高いとは言え、傾向的には低下基調にあることを否定できません。

 一方、「し好的」に含まれる「飲食店,飲食サービス業」は、2月に前月比2.1%上昇と2か月連続の上昇を見せています。2月の指数値105.1は、平成27年、つまり一昨年の10月以来の105台と高い水準となっています。

 

 

 生活必需的なサービス消費の面では、節約志向が維持されている一方、楽しむためのサービス消費には前向きな動きが出てきているものと思われます。

 自動車小売業や機械器具小売業の2月は前月比マイナスで、耐久消費財の購買行動が良くなったとは言えませんが、春物衣料などが動いた織物・衣服・身の回り品小売業が2月の小売業のけん引役であったのも、消費者のし好的消費に対する姿勢の「好転」を示すモノなのかも知れません。

 いずれにせよ、2月、あるいは平成29年年明けからは、サービス産業全体の動きを支えているのは、対個人サービス、特に、し好的個人向けサービスであり、春以降のさらなる盛り上がりを期待したいところです。

 

 

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