読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

事業者向け関連サービス、小売業が上昇寄与、企業向け情報サービス業や卸売業といった企業向けサービスが低下寄与。寄与業種の内訳をみると、業種全体というよりは、ピンポイントの上昇/低下だった。

 平成29年2月の第3次産業活動指数は、3か月ぶりの前月比上昇となりましたが、11大分類業種のうち、4業種が前月比上昇、6業種が前月比低下、「医療,福祉」は前月比横ばいでした。全体として前月比上昇を確保した割には、上昇業種の数が少ないという印象です。

 

投資関連の事業者向け関連サービスと織物・衣服・身の回り品小売業が上昇

 前月比上昇業種4業種のうち、影響度が特に大きいのが事業者向け関連サービスです。寄与2位の小売業の影響度合いは、その4分の3程度となります。それに次ぐ生活娯楽関連サービスと「運輸業,郵便業」は、小売業の貢献度合いの半分程度と並んでいます。

技術サービス業が上昇傾向に

 2月の上昇寄与が特に大きかった事業者向け関連サービスについては、4か月連続の前月比上昇で、前月比1.5%上昇でした。事業者向け関連サービスは、平成28年を通して緩やかな上昇軌跡となっていますが、特に昨年の11月以降の上昇角が上向いています。

 この業種の2月の上昇を生み出しているのは、内訳の技術サービス業で、土木・建築サービス業と機械設計業の貢献が目立ちます。広い意味での投資向け(建設、研究開発)のサービスが、けん引役になっています。技術サービス業は、月々の変動が大きいのですが、1月の指数値110.2、2月の指数値111.9と、年明けは平成28年の後半と比べて高い水準になっています(同年第3四半期108.6、第4四半期104.7)。

 2月の事業者向け関連サービスの他の内訳系列全体の調子が良い訳ではありませんが、投資関連を中心とする技術サービス業の盛り上がりによって、平成22年以降では最も高い指数値107.7となっています(平成21年8月の107.9に次ぐ高水準)。

 

 

小売業や生活娯楽関連サービスでも、ピンポイントの上昇

 寄与2位の小売業は、前月比0.9%上昇、2か月連続の上昇でした。内訳業種のうち寄与が大きかったのは、その他の小売業、織物・衣服・身の回り品小売業、燃料小売業でした。その一方、飲食料品小売業、自動車小売業、機械器具小売業は前月比マイナスとなっています。耐久消費財の動きは鈍かったようですが、春物衣料や季節商品は良かったようです。

 3位グループの生活娯楽関連サービスでは、長期低落傾向にある「パブレストラン,居酒屋」やファーストフード店の前月比上昇が見られた「飲食店,飲食サービス」が上昇寄与を見せました。

 また、旅行業のうち、日本人の国内旅行に関する代理店取扱高は前月比低下でしたが、日本人の海外旅行や海外からのお客様の取扱高の上昇がみられたほか、葬儀業の上昇もあった「その他の生活関連サービス業」も上昇寄与を見せました。全体的な上昇というよりは、ピンポイントで好調なサービスがあったということのようです。

企業向けの情報サービス業が大きく低下

 さて、2月の低下6業種の中では、情報通信業、卸売業、不動産業の低下寄与が残りの3業種に比べて大きくなっています。

 情報通信業において、受注ソフトやゲーム以外のソフトウェアプロダクトの低下が大きかったほか、テレビ向けの映像情報製作・配給業の低下も響きました。広告業において、テレビ広告も前月比マイナス2.5%低下となっており、2月はテレビ関係の調子が少し悪かったようです。

 卸売業では、建築材料,鉱物・金属材料等卸売業が全体を押し下げています。

 不動産業では、マンション分譲業の前月比低下が響きました。

 

卸小売を含む総合指数と含まない指数の差が拡大してきている

 第3次産業活動指数では、サービス産業として卸売業、小売業も含めて集計しています。それら財の取引から派生するサービスである卸小売業の活動指数を除外した、いわば「純粋サービス産業」活動指数も計算していますが、この指数は前月比0.7%上昇と6か月連続の上昇となりました。

 卸小売を含んだ総合指数が指数値104を挟んだ狭いレンジの動きに終始していることと比べ、この「純粋サービス産業」活動指数は緩やかな上昇傾向を持続しており、大分「おもむき」が異なってきています。また、2月の前月比はプラスの0.7%で、それ以前の5か月間の前月比伸び幅が大きくても0.2%だったことと比較すると、力強い上昇となっています。

 さらに、第3次産業活動指数総合と「純粋サービ産業」活動指数の指数差を見てみると、平成24年の消費税率引上げを画期として乖離が大きくなった乖離幅が、昨年末から広がり始めており、商業関係とそれ以外のサービスとの動きの違いが大きくなってきているようです。

 

 2月のサービス産業の業種別動静をみると、サービス業全体が前月比0.2%上昇となりましたが、全11業種のうち上昇業種となったのは4業種に留まり、低下業種の数の方が多くなっています。また、寄与の分布という意味では、上昇・低下ともに影響度合いの大きい業種に寄与が集まっていました。

 上昇寄与の大きい2業種は、ともに前月比連続上昇しており勢いがあるようです。他方、低下3業種のうち、情報通信業と不動産業は反動減的側面があり、卸売業は連続低下業種ということで勢いが弱くなっているようです。

 

 

◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

◎図表集

 

 

◎データ冊子

 

◎ナレーション解説

 

 

http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/archive/kako/20170421_3.png