経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成28年の訪日外国人旅行消費額は約3.8兆円、訪日外国人消費指数は、平成28年まで5年連続の前年比上昇。着実に伸びているのは、買物代ではなく飲食費。訪日外国人消費指数の季節変動パターンからは、意外にも「春節」の影響がみられない。;訪日外国人消費指数その1

 訪日外国人消費指数(TCI)とは、訪日外国人の消費金額を、消費者物価指数を用いて実質指数化したものです。費目ごとに実質化することにより、日本国内の価格変化の影響を除外した動きを見ることができるようになります。

 訪日外国人の消費金額については、訪日外国人消費動向調査(観光庁)の訪日客1人当たりの費目別売上高に、訪日外客数(日本政府観光局)を乗ずることで算出しています。

 また、費目ごとの実質指数を加重平均するウェイトは、サービス産業(第3次産業)活動指数と比較できるウェイトとして算出しており、国内のサービス産業の動向と訪日外国人消費の動きの関係を分析できるように設計しています。また、試験的に季節調整を施しているので、前年比だけではなく、四半期の前期比も計算でき、足元の動きの方向感も見定めることができるようにしています。

 

 今回は、平成28年及び同年第4四半期の訪日外国人消費指数の動き、そしてその季節変動パターンを「ミニ経済分析」としてまとめましたので、そのポイントをご紹介していきます。

 まず、訪日外国人消費指数全体の動きについてご紹介していきます。

 

訪日外国人旅行消費額3.8兆円、指数は5年連続前年比上昇

 まず指数の前に、規模感をご理解いただくため旅行消費額の金額データをご紹介します。

 平成28年の訪日外国人消費額は3兆7,476億円で、前年比7.8%上昇と過去最高値となりました。1人当たりの旅行費支出は減少していたのですが、やはり訪日外国人数が伸びた結果です。

 このデータを実質化するなどして作成した28年の訪日外国人消費指数は、平成22年=100とした指数値で301.6、前年比10.1%と5年連続で前年比上昇でした。指数値が300を超えているということは、22年の水準の3倍に拡大しているということになります。国内の対個人サービス活動指数が100前後の指数で推移していることと、大きな差があります。

 

平成27年では、訪日外国人消費が国内サービスのけん引役だった

 さて、この訪日外国人消費の盛り上がりは、国内のサービス産業にどれ位のインパクトを持っていたのでしょうか?ここでは、第3次産業活動指数の広義対個人サービスの前期比の動きに対する訪日外国人消費指数の寄与度で、この2年間のインパクトを見てみます。

 

 

 第3次産業活動指数の広義対個人サービスの前期比変動に対し、平成23年第3四半期以降、28年第1四半期まで、プラスの貢献をし続けていました。特に、全期を通して最もプラス寄与が大きくなった27年第2四半期は、対個人サービスが前期比マイナス0.3%と低下だったにもかかわらず、訪日外国人消費指数は0.14%ポイントのプラス寄与となっていました。同年第3、第4四半期では、対個人サービスの前期比上昇は、ほぼ全て訪日外国人消費の寄与によるものでした。

 訪日外国人消費指数は27年第4四半期に指数値300を超えて以降、急上昇はみせなくなり、28年に入って、対個人サービスの前期比変動への寄与をみせなくなりました。ただ、同年第4四半期には0.4%ポイントの寄与をみせました。

 国内の対個人サービス供給に占める訪日外国人消費のウェイトはまだ低く、その変動が対個人サービスの変動に直結する訳ではありません。にもかかわらず、27年の対個人サービス全体の動きに重要なインパクトをもっており、この年の訪日外国人消費の伸びがどれ程すさまじいものであったのか、28年と比較することで、さらに明瞭になったものと思います。

 

季節変動パターンのピークは「春節」時期ではない

 次に、過去7年分のデータに基づいて、訪日外国人消費指数の月次の変動パターンをグラフ化したものを見てみます。

 訪日外国人消費指数の1年の毎月の動きのピークは7月で、さらに4月に「もう一山」あることがわかります。また、毎年11月から翌年2月までの冬期に水準が低くなっていることがわかります。

 東アジアの「春節」時期に、日本の観光地やドラッグストア・家電量販店が訪日外国人であふれかえっているというニュースをよく目にしましたが、季節変動パターンを確認してみると、実はその時期に訪日外国人消費指数は盛り上がっておらず、むしろ、7月という早めのバカンスの時期にいちばんのピークを迎えているという、意外な結果となりました。

 

 
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