経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

2月まで少し低下基調の資本財出荷だが、4月の資本財生産計画は20%以上の上昇という調査結果。

 需要先用途別の分類である財別指数から、需要の動きを見てみます。

 平成29年2月の鉱工業出荷全体は前月比マイナス0.1%低下と微減、ほぼ横ばいでした。

 

生産財の需要見通しも堅調

 全体の半分のウェイトを占める生産財の出荷は前月比1.0%上昇で、2か月ぶりの上昇です。2か月ぶりとは言っても、昨年12月まで生産財出荷は7か月連続の上昇でしたので、今年1月の低下を挟んで、上昇基調が続いているといえるかも知れません。

 1、2月の生産財出荷の平均は101.0で、昨年第4四半期の100.3よりも高めとなっています。2月の生産財出荷への上昇品目は、自動車エンジンやメモリ用の半導体集積回路でした。

 鉱工業用生産財の先行き生産計画では、3月は前月比マイナス0.5%低下ですが、前回調査における3月見込みがマイナス3.5%低下だったことからすると、低下幅が大きく圧縮されました。生産計画指数のレベルも、昨年12月や今年1月の水準は相当程度維持されます。

 さらに、4月については3月計画比3.3%上昇で、生産計画指数のレベルが高くなっており、この生産計画並みの生産実績が出てくるのは、平成23年の後半であり、そこまでの3年間ほどには見られない高水準となっており、企業サイドの需要見通しも堅調なものとなっていると言えるのではないでしょうか。

 

 

資本財の需要は少し停滞しているが、4月に急拡大?

 2月の最終需要財の出荷は、前月比マイナス0.5%低下であり、2月の出荷の低下は最終需要財によるものであったことになります。最終需要財の中では、投資財出荷は前月比マイナス2.2%低下、消費財出荷は前月比1.4%上昇と好対照となっています。

 投資財の中では、建設資材等の建設財出荷は前月比0.6%と3か月ぶりの上昇です。3か月ぶりの上昇とは言っても、12月、1月は前月比マイナス幅は小さく、昨年11月の97.8から狭いレンジでの推移となっています。また、1月の建設業活動指数は前月比4.1%と4か月ぶりの上昇となっていましたので、建設業活動の上昇とともに、2月の建設財出荷も上昇ということなのでしょう。

 他方、投資財の中ではウェイトの大きい資本財出荷は前月比マイナス1.9%低下、特に、設備投資向けの財となる輸送機械を除く資本財の出荷は前月比マイナス3.1%の低下となりました。ともに2か月ぶりの前月比低下です。昨年11月まで資本財出荷は4か月連続、輸送機械を除く資本財の出荷は6か月連続の上昇であったのが、昨年末からは低下―上昇-低下という推移で出荷の勢いが明らかに止まっていたようです。

 

 輸送機械を除く資本財の生産計画でも3月は前月比マイナス6.5%低下ということで、年度内は低調ということのようです。とはいえ、4月の3月計画比24.4%上昇です。3月の計画値が上方修正されていることと合わせて、設備投資向け財の需要に対する供給企業側の見立ては、それ程悪い訳ではないようですし、年度明けには大きな期待。強めの予想をしていることになります。ちなみに、これほどの高い生産計画は、やはりリーマンショック後には存在していません。

 

耐久消費財非耐久消費財で、先行きの明暗が分かれる

 消費財については、2月の耐久消費財の出荷が前月比3.5%と4か月ぶりの上昇、非耐久消費財の出荷も前月比1.3%上昇と2か月連続の上昇でした。

 非耐久消費財ではガソリンやクレンジングクリームの出荷が良く、耐久消費財では、普通乗用車の出荷は前月比マイナスでしたが、小型乗用車、軽乗用車の出荷が好調で全体としてはプラスになっています。2月の小売販売は前月比0.2%上昇と上向いており、「持ち直しの動き」となっていましたので、2月の消費財需要は堅調だったということになるかと思います。

 

 

 ただ供給側の生産計画を見ると、耐久消費財非耐久消費財で差があり、非耐久消費財の向こう2か月の生産計画は連続低下となっており、4月の水準が前年実績(原指数平均102.3)を少し下回るようになります。

 耐久消費財の生産計画は、向こう2か月増産という計画です。特に4月の計画値のレベルは高く、過去の計画値との比較、過去の実績値との比較でみても、平成26年の消費税率引上げ直前の駆け込み需要期のマインドになっています。

消費財需要の先行きは明暗があるが、資本財では年度明けの需要拡大を見込む

 2月の財別出荷や3月、4月の財別生産計画の動きからは、建設投資向け需要は堅調だが、設備投資向けの需要については、年度内は一服、年度明けの4月以降、回復を供給側が見込んでいる状況ということが伺えます。

 他方、消費財需要については、2月の現状では耐久、非耐久ともに好調なのですが、3月以降は明暗が分かれ、非耐久消費財は少し需要が落ちることを供給側が予想している一方で、耐久消費財の需要回復が見込まれるという状況になっています。

 

 

 

 ◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

 

 ◎図表集スライドショー

 

◎5分間ナレーション解説

 

◎データ冊子

 

 

http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/archive/kako/20170403_4.png