経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

出荷は若干の低下だったが、生産は大きめの上昇を見せた平成29年2月、先行き3月、4月も強気の生産計画で、4月は駆け込み需要期を上回る水準へ。

 出荷は少し弱いものの、第1四半期の生産は前期比プラスの可能性大

 平成29年2月の「生産」は、季節調整済指数102.2、前月比2.0%上昇でした。今年1月は、昨年7月以来の6か月ぶりの前月比低下となりましたが、2月はその低下幅を大きく上回る上昇幅を見せました。1月と2月の生産指数の平均は、101.2で、昨年第4四半期の指数値99.6を大きく上回っていました。

 今年の第1四半期の鉱工業生産については、3月が相当大きく低下しないかぎり、前期比プラスを維持できるものと思われます(3月の指数値96.4以上で前期比プラス。前月比マイナス5.7%低下とならなければ、前期比プラスとなる)。

 前年同月比も4か月連続のプラスであり、2月の前年同月比は4.8%プラスで、平成29年は前年に比べて、高めの下駄を履いた状態で始まったと言えるかと思います。

 

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 2月の鉱工業出荷は、指数値99.1、前月比マイナス0.1%低下でした。1月は前月比0.3%上昇でしたので、2か月ぶりの低下となります。出荷の1、2月平均も99.2で、昨年第4四半期の出荷指数98.8を若干上回っています。3月の指数レベルが大きく低下しなければ、出荷においても前期比上昇も期待できるかも知れません。

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生産増、出荷減で在庫増ではあるが、これは積極的な「在庫積み増し」の面あり

 在庫は、前月比0.9%上昇でした。在庫指数は、昨年9~11月まで3か月連続の低下となり、在庫水準は低下方向となっていました。しかし、昨年12月上昇、今年1月に微減、そして2月には再度上昇ということで、在庫の足元の動きは「横ばいから微増」という方向性になってきているようです。昨年12月の指数値107.5に比べて、2月の指数値は108.4と少し高めになっています。

 ただ、在庫循環図をみると、「(意図せざる)在庫減局面」から「在庫積み増し局面」に移っており、この観点からは、在庫の月々の変化において低下方向への動きが進み、生産が積極的になってきたからということも出来るかと思います。

 

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3月の生産計画は前月比マイナス0.3%低下、計画自体は上方修正されている

 3月初頭における今年3月、4月の生産計画です。

 今年3月の生産計画については、前月比マイナス2.0%低下を見込んでいます。大きめの低下幅のようには見えますが、2月調査時点における3月生産計画は前月比マイナス5.0%低下と極端な低下幅をみせていたことからすれば、生産計画が持ち直しているように見えます。勿論、2月計画から実績がマイナス2.2%程下振れしているので、プラス3%の大部分はこのマイナスの実現率によるものです。同時に、前回調査時点の3月計画と今回調査の3月計画を比較すると1%上方修正となっており、3月計画値も増加しています。

 よって、今回調査における前月比低下幅の縮小には、実質的な計画の積み増しも影響していることになります。予測修正率も2か月連続上方修正となっており、比較的強気の生産計画になっています。

 

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 また、この3月の生産計画に含まれている傾向的な予測誤差を補正すると、3月の前月比は マイナス0.3%程度に低下幅が縮小する見込みとなっています。生産計画には多くの月において上方バイアスがあるのですが、こと3月については、過去4年間、実績が計画を上回ることが続いており、下方バイアスが生じています。このため、補正試算では、調査結果よりも低下幅が縮小することになりました。

 マイナス0.3%低下であれば、微減とまでは言えませんが、若干の低下にとどまり、先ほど申しましたように、3月の鉱工業生産がかなり大きく低下しない限り、今年の第1四半期の前期比はプラスを維持できますので、この補正を含む予測指数の結果からすると、第1四半期はプラスということかもしれません。

 

4月の生産計画は急伸する見込み

 4月の生産計画については、補正計算なしで、前月比8.3%の上昇を見込むという計画になっています。この4月の計画レベルは、消費税率引き上げ前の生産実績を大きく超えるものとなっており、計画段階のものとは言え、今年4月の生産水準はここ数年にない高い水準になっていると言えます。

 この4月計画指数は103.4なのですが、翌月見込み指数がこのレベルを超えるのは、平成25年の12月調査における翌年1月見込みまで遡ります。この翌月生産計画の伸びが、仮に半分の4%程に低下しても、その生産レベルは、駆け込み需要期の最も生産実績の高かったレベルに匹敵するものになります。

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基調判断は「持ち直しの動き」で据え置き

 このようにみると、2月の出荷の勢いは少し弱いようですが、在庫循環も「在庫積み増し局面」となっており、生産活動は調子の良い時期のものとなっています。先行き見通しについても、3月に若干の生産低下はあるものの、4月には大きく回復するという計画になっています。これらを踏まえ、基調判断については、「持ち直しの動き」で据え置きたいと思います。

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 先月の公表時には、「3月の生産計画では、勢いに明瞭に変化が見られ、その実績がどうなるのか、慎重にみていく必要が出てきたものと思います。」としましたが、今回の予測調査の結果をみると、3月の生産低下は限定的なものとなる様相であり、その先により大きなジャンプアップがあるということで、多少懸念は払拭されたかと思います。

 

 

 

 ◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

 

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