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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

昨年末から対個人サービスは2か月連続前月比上昇、一方、昨年のサービス産業を支えた対事業所サービスは2か月連続の前月比低下。方向感の「入れ替わり」が生じ始めている。

第3次産業活動指数

 第3次産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス」と「広義対事業所サービス」に分けることができます。

 

2か月連続で対個人は上昇、対事業所は低下

 1月は、対個人サービス活動指数は、指数値105.1、前月比0.2%上昇と2か月連続の前月比上昇でした。対個人サービス活動指数が105台になるのは、昨年3月の105.2以来、10か月ぶりです。

 実は、対個人サービスが105台となるのは、平成26年の1月と3月を除くと、消費税率引上げ後のレベルが高くなった月に限られます。具体的には、対個人サービスの活動が活発だった平成27年の1、2、6、8、10月の5回と、平成28年の2、3月です。

 平成28年初頭は比較的高いレベルにあった対個人サービスは、昨年半ばにはレベルを下げており、「個人消費不振」の様相でしたが、そこから徐々に回復基調で進み、今年の1月には、昨年初頭の高いレベルに戻ってきたということになります。

 

 他方、1月の対事業所サービス活動指数は、指数値103.0、前月比マイナス0.3%低下と2か月連続の前月比低下となりました。

 昨年の第2四半期から3四半期連続で前期比上昇が続いており、第3次産業総合の平成28年前年比0.7%上昇も、ほぼ全て対事業所サービスの上昇寄与によるものでした。前年同月比は、1月も引き続き22か月連続のプラスなので、対事業所サービスの指数水準が直ちに低下しているということではありません。

 しかし、対事業所サービスの指数の推移は、昨年末から若干勢いがなくなってきており、年明けも2か月連続の前月比低下となっています。

製造業依存型対事業所サービスが低下

 各サービスの内訳を見てみます。

 昨年の12月に続き、1月のサービス産業全体の押し下げ要因となった対事業所サービスでは、「金融業,保険業」の内訳系列である「流通業務」(株取引高)、全銀システム取扱高(資金決済)の低下寄与、そして卸売業の内訳系列である各種商品卸売業、鉱物・金属材料卸売業、化学製品卸売業の低下寄与が大きくなっています。

 今年の1月には、鉱工業生産も前月比低下、生産財の出荷も前月比低下となっており、財取引、特に企業間の中間投入財の取引が低調だったことが分かります。また、流通業務や全銀システム取扱高といった金融取引に関連する系列の低下寄与も大きく、財のみならず、資金・金融商品の取引も、12月からの反動減の要素もあって、少し低調となっていたことが分かります。

 

 対事業所サービスは、そのサービスの相手先が主に製造業なのか、非製造業なのかに応じて、製造業依存型と非製造業依存型に分類できます。

 1月の非製造業依存型サービスは、指数値107.0、前月比1.3%上昇と2か月ぶりの前月比上昇で、製造業依存型サービスは、指数値94.9、前月比マイナス1.5%低下と2か月連続の前月比低下でした。

 1月の対事業所サービス全体は2か月連続の前月比低下だった訳ですが、それは需要先でいうと製造業のサービス需要が低下したことによるということになります。

 これは先にも述べたように、1月の鉱工業生産が低下したことから致し方ないと言えるでしょう。他方、サービス産業のサービス需要は堅調だったということになります。

 製造業向けのサービスということでは、業種としては前月比上昇となっている事業者向け関連サービスの内訳系列である「機械設計業」が、前月比マイナス9.4%低下となりました。1月の機械設計業は、対事業所サービスに対する低下寄与では下位5番目で、大きな低下寄与となっていました。昨年12月に大きく上昇しているので、その反動もあるかとは思われますが、機械設計業を含む業種大分類である事業者向け関連サービス、そして中分類である技術サービス業がともに前月比上昇であるにもかかわらず、機械設計業が前月比低下となっているのは目立ちます。

 

 投資向けサービスも前月比マイナス0.2%低下で、2か月連続の低下となっており、極端に高い指数値を見せた昨年4月から月々の変動もありながら低下傾向で推移しています。機械設計の中には、設備設計ではなくて、最終製品の設計も含まれるので、全てが投資向けではありませんが、事業所向けのサービス、なかんずく、投資向けのサービスが低下してきており、気になるところです。

対個人では、「医療,福祉」とスポーツ観戦が上昇要因

 1月に2か月連続上昇となった対個人サービスには、1月の上昇寄与の大きかった業種である「医療,福祉」の影響が大きいのですが、個別系列では、スポーツ観戦(プロスポーツ)が盛り上がっていたほか、観光関連のホテル、機械器具小売業や近畿圏のマンション分譲といった高額な買い物、「食堂,レストラン,専門店」や飲食料品小売業といった飲食関連が、上昇寄与の上位に並んでいます。

 観光関連産業活動指数は前月比0.5%上昇、3か月連続上昇で、飲食関連産業活動指数も前月比1.0%上昇、3か月ぶり上昇と、個人のサービス消費が盛り上がっていました。

 なお、対個人サービスも、生活必需的な性格の強い「非選択的個人向けサービス」と選択性が強く、上下動し易い「し好的個人向けサービス」に分けられます。

 1月の非選択的個人向けサービスは、前月比0.4%上昇と2か月ぶりの前月比上昇、し好的個人向けサービスは、前月比0.3%上昇と3か月連続の前月比上昇となりました。昨年は、消費不振が喧伝されていましたが、1月の対個人サービスをみると、スポーツ観戦や観光、一部の高額消費、外食などの面で家計のサービス消費が上昇していました。

 他方、昨年のサービス産業を支えていた対事業所サービスが、鉱工業生産の低下とともに、製造業向けを中心に低下しており、対個人と対事業所で対照的な動きを見せました。

 

 

 

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