経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成29年1月のサービス産業では、2か月連続前月比低下の卸売業の低下幅が大きく、「薄く広く」前月比上昇した各業種の上昇分を相殺してしまい、サービス産業全体としては、前月比横ばいに。

 平成29年1月の第3次産業活動指数は、昨年12月の前月比低下から、横ばいとなりましたが、11大分類業種のうち、8業種が前月比上昇、3業種が前月比低下でした。

 

 

「医療,福祉」が上昇。技術サービス、広告も前月比上昇

 前月比上昇業種8業種のうち、影響度が大きいのが上位2業種の「医療,福祉」、事業者向け関連サービスでした。

 やはり、インフルエンザの流行などもあり、医療機関の活動が上昇したようです。1月の「医療,福祉」は2か月ぶりの前月比1.2%上昇で、指数値は117.0と、指数値が急騰した昨年3月以来の高水準となっており、安定した上昇基調が続いています。

 

 

 事業者向け関連サービスについては、3か月連続の上昇で、前月比1.8%上昇でした。

 技術サービス業の内訳である土木・建築サービスが前月比16.9%上昇と大きく上昇しました。指数値も112.3は、昨年の第4四半期に比べると高い水準ではありますが、昨年第2、第3四半期に比べると若干低い水準であり、絶好調とは言えないと思います。昨年12月の指数値が100を割り込む低い水準となっているので、そこからの上昇ということで、その前月比上昇幅は少し割り引く必要があると思います。

 また、広告業の内訳である「他に分類されない広告」が前月比18.1%上昇と、その上昇寄与も大きくなっています。広告業においては、従来型のメディア広告である4媒体広告が、その内訳系列とともに、指数値100を割り込んでいる一方で、それ以外の分野の多くは、順調に指数レベルを上げています。特に、インターネット広告と並んで、1月の上昇寄与が大きい「他に分類されない広告」(イベントや店頭プロモーション、映像などのクリエイティブの製作費など)の指数レベルは150を超えており、規模的にはテレビ広告の指数よりもかなり大きくなっています(テレビ広告指数90.0×ウェイト20.3=1827、他に分類されない広告指数156.0×ウェイト19.7=3073.2)。

 

 

 1月の上昇業種の2番手グループでは、内訳の情報サービス業が伸びた情報通信業(前月比0.8%上昇、2か月ぶり)、機械器具小売業が伸びた小売業(前月比0.8%上昇、3か月ぶり)、暖冬の影響で12月の指数値が非常に低くなっており、そこからの反動増があった電気・ガス・熱供給・水道業(前月比2.7%上昇、2か月ぶり)、そして近畿圏のマンション分譲や土地取引が比較的好調だった不動産業などが、薄く広く上昇寄与となりました。

 

卸売業が2か月連続低下で、全体を押し下げ

 さて、1月の低下3業種、卸売業、「金融業,保険業」、そして「運輸業,郵便業」のうち、低下寄与が最も大きかった業種は、卸売業でした。

 1月の卸売業の90.9、前月比マイナス3.0%低下で、これで2か月連続の前月比低下となっています。昨年12月の前月比低下幅もマイナス2.1%低下と大きめであり、大きめの前月比低下が続いています。内訳としては、各種商品卸売業の低下が大きかったほか、鉱物・金属材料卸売業、化学製品卸売業が、昨年の第4四半期から揃って低下傾向となっており、比較的堅調だった卸売業の重石となっていました。

 結果的に昨年の第4四半期には前期比もマイナスとなって方向感も良くない方向となっていました。昨年12月に続いて、今年1月は前年同月比もマイナス2.1%低下となり、水準的にも平成28年平均に比べて低くなっています。

 卸売業以外の2業種の低下寄与は、相対的に限定的でした。

 

 

 第3次産業活動指数では、サービス産業として卸売業、小売業も含めて集計しています。それら財の取引から派生するサービスである卸小売業の活動指数を除外した、いわば「純粋サービス産業」活動指数も計算していますが、この指数は前月比0.2%上昇と3か月連続の上昇となりました。

 卸小売を含んだ総合指数が指数値104を挟んだ狭いレンジの動きに終始していることと比べ、この「純粋サービス産業」活動指数は緩やかな上昇傾向を持続しており、大分「おもむき」が異なってきています。

 

薄く広い上昇と、卸売業の大きな低下により、全体横ばい

 1月のサービス産業の業種別動静をみると、サービス業全体が前月比横ばいとなりましたが、全11業種のうち8業種が上昇となっており、その中でも上位2業種の上昇寄与で全上昇寄与の半分程度を占めています。2番手集団4業種の寄与も同程度でした。ということは、1月の上昇業種の影響度は、薄く広く分布していたということになります。

 他方、1月の低下業種では、卸売業の低下寄与が圧倒的に大きくなっていました。要すれば、多くの業種の「薄い」上昇寄与を、卸売業の大きめの前月比低下が相殺してしまい、サービス産業全体としては、前月比横ばいとなるという構図だったようです。

 

 
 

 

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