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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成28年10-12月期の産業活動(その4);対事業所サービスは横ばいで、対個人サービスは2期連続で前期比上昇。対事業所サービスと対個人サービスの立場の「入れ替わり」を示唆するような結果となった平成28年第4四半期。

ミニ経済分析 第3次産業活動指数

 第3次産業活動指数は、大きく「広義対事業所サービス」と「広義対個人サービス」に分けることができます。

 

 

対事業所サービスは、前期比横ばい

 平成28年第4四半期の対事業所サービスの指数値は103.6、前期比横ばいとなりました。この103.6という指数水準は、実はいわゆるリーマンショックの発生によって指数値が急落した平成21年第1四半期以降の四半期データとしては、最高値となっています。

 

 

 その内訳では、製造業依存型事業所向けサービス(サービスの提供先として非製造業が多い)は、前期比マイナス0.2%低下、非製造業依存型事業所向けサービス(サービスの提供先として非製造業が多い)が前期比0.4%上昇で、前期比上昇が続いています。

 一見、製造業のサービス需要が落ちているようにも見えますが、製造業依存型サービスの指数値も年初に比べて高くなっており、前年同期比もプラスが続いていますので、高い水準の中で、若干低下した程度と評価できます。

 

 

 対事業所サービスの平成28年の前期比推移を見ると、第2四半期に前期比1.1%、第3四半期に前期比0.5%と2期連続で大きく上昇しました。この2四半期の上昇には、主に非製造業依存型サービスの上昇寄与によるところが大きくなっています。この年央2四半期の動きにより、平成28年第4四半期の指数レベルは、平成27年のレベルに比べると大分高い水準となりました。

 

対個人サービスは、2期連続の前期比上昇

 平成28年第4四半期の対個人サービスの指数値は104.8、前期比0.3%上昇と2期連続の前期比上昇となりました。ただ、平成28年第2四半期に前期比マイナス0.8%低下と大きめの前期比低下があり、そこからの2期連続上昇であるため、前年同期比は、3期連続のマイナスで、水準としてはあまり高くない状態です。

 

 

 内訳では、生活必需的な非選択的個人向けサービスは、前期比マイナス0.2%低下、選択性の強いし好的個人向けサービスは、前期比0.3%上昇でした。指数値でみても、非選択的サービスは少し指数値が落ちてきており、前年同期比もマイナスとなっています。

 他方、し好的サービスは指数値も高くなっており、前年同期比もプラスになっています。均してみても、下げ止まり感が見られます。

 

 

 対個人サービスの平成28年の前期比推移を見ると、第1四半期に非選択的サービスが前期比1.2%と急上昇し、第2四半期に前期比マイナス1.3%と急低下しました。この変動は、「医療,福祉」の3月と4月の落差によるものですが、平成28年前半の対個人サービスは、この非選択的サービスの動きの影響を強く受けています。

 他方、第3四半期の小幅な動きを挟んで、第4四半期には、し好的個人向けサービスが前月比0.3%上昇となり、第4四半期の対個人サービスをけん引しました。

 年前半の選択的個人向けサービスの大きな変動と、第4四半期におけるし好的個人向けサービスの反転上昇の兆しが、平成28年の対個人サービス活動指数の動きのベースとなっていました。

 

対事業所と対個人の立場が入れ替わる兆候か?

 平成28年各四半期のサービス産業活動指数の前期比推移に対する対事業所と対個人の寄与を比較してみます。

 

 平成26年第3四半期以降、サービス全体の前期比変動に対して、対事業所サービスが上昇寄与する四半期が大半となっていました。その流れを受け継ぎ、平成28年も第2、第3四半期は、対事業所サービスの上昇寄与によって、サービス全体が前期比上昇となっていました。第4四半期には、対事業所サービスのプラス寄与がなくなりました。

 最終需要項目に対応するサービスである消費向けサービスと投資向けサービスの指数の動きを見ても、企業向けとなる投資向けサービスは第2四半期をピークに下がり気味ですが、消費向けサービスは緩やかに上昇してきています。

 

 

 家計消費向けのサービスとなる観光関連産業や飲食関連産業のサービス指数の推移をみると、し好的・選択的性格の強い観光関連産業活動指数は、第4四半期に前期比0.9%と比較的強めの上昇を見せました。一方、外食なども含みますが、必需的性格の強い飲食料品小売業のウェイトが高い飲食関連産業活動指数は、緩やか下方トレンドの中で、第4四半期に前期比マイナス0.7%と強めの低下を見せています。

 

 

 平成28年第4四半期の対事業所/対個人サービスの推移をみると、ここ1、2年、サービス産業全体の先導役であり、下支え役であった対事業所サービスが安定推移に変わる一方、対個人サービス、なかんずく、し好的個人向けサービスが「下げ止まり」から「上向き」へと変わる潮目のような動きとなりました。

 平成29年のサービス産業では、対事業所サービスと対個人サービスの立場が入れ替わっていくのかどうかが、重要なポイントになるのではないかと思います。

 

 

◎ミニ経済分析のページ

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