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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

11月の全産業活動指数は、前月比0.3%の上昇。鉱工業生産の持ち直しなどにより全産業活動は緩やかな上昇基調が続く。

全産業活動全体の動向

 平成28年11月の全産業活動指数は、指数値103.6、前月比0.3%と3か月ぶりの上昇となりました。3か月ぶりと言っても前々月、前月は前月比横ばい、その前3か月間は上昇で、3か月移動平均で均してみると4か月連続の前月比上昇と、緩やかな上昇基調にあります。

 指数の推移をみると27年10月から28年5月頃まで指数値が101台後半~103台前半までの広めのレンジで毎月一進一退していた状態から、28年6月以降は安定的に上昇する姿に変化している様にみえます。

産業別の動向

 11月の結果を産業別にみると、建設業活動が2か月連続低下となったものの、鉱工 業生産と第3次産業活動(サービス産業活動)が上昇し、全産業活動をプラスに押し上げました。当月は6月以来久々に鉱工業生産とサービス産業活動の上昇が 揃い、特に鉱工業生産の上昇寄与が大きくなっていますが、サービス産業活動の上昇幅が小幅だったこと、建設業活動の低下幅がやや大きめだったこともあり、 全産業活動全体では小幅上昇にとどまったという結果でした。

 ここ数か月間は上昇寄与業種が月ごとに入れ替わる状況ですが、今月11月と半年前(5月) の比較で全産業活動に対する産業別寄与度を計算してみると、鉱工業生産が1.06%ポイント、サービス産業活動が0.65%ポイント、建設業活動はマイナ ス0.07%ポイントとなっており、年後半はウェイトでは2割の鉱工業生産が主たるけん引役を果たしていたことが分かります。

 鉱工業生産は、電子部品・デバイス工業の復調をはじめ幅広い業種が前月比上昇し、全体とし ては前月比1.5%の上昇となり、前月の横ばいを挟んで4か月連続で前月比マイナスなしと、持ち直しの動きとなっています。生産予測調査による生産計画も 先行きの堅調さを期待させる結果となっています。

 サービス産業活動は、前月比0.2%と4か月ぶりの上昇となりました。上下動が少ない狭い レンジの推移が続いており均してみると横ばい推移です。内訳では、生活娯楽関連サービスが低調だったものの、人気タイトルの発売でゲームソフトが好調だっ た情報通信業や卸売業などの上昇寄与が大きくなっています。

 

建設業活動指数

 建設業活動は、前月比マイナス2.5%と2か月連続の低下となりました。内訳の5系列のうち、主力の公共・土木と民間・建築住宅をはじめ4系列が低下したことから、前月(前月比マイナス0.5%)から低下幅が拡大しました。

 夏頃より上昇・低下を繰り返していた公共・土木が、今月は2か月連続の低下とな り、指数水準を下げています。例年、公共・土木は11月~翌年1月にかけ活動水準が高くなる季節パターンがありますが、平成27、28年はそれ以前に比べ この期間の指数水準が低くなっており、季節パターンに変化がみられるようです。公共部門のもう一方の公共・建築も前月比マイナス3.4%と2か月連続の低 下で、公共部門全体が低調な状況でした。

 他方、好調が続いていた民間・建築住宅も前月比マイナス1.7%の低下となりました。前月比低下となるのは平成27年12月以来11か月ぶりと、今月は上昇一服という状況かと思います。

まとめ

 平成28年11月の全産業活動は、鉱工業生産と第3次産業活動のけん引により、3か月ぶり 前月比上昇となり、緩やかな上昇基調が続いています。傾向的には、減速気味の建設業活動や、横ばい傾向で推移する第3次産業活動に対し、持ち直しの動きが みられる鉱工業生産が、全産業の主たるけん引役を果たしている状態です。先行きも堅調が示唆されている鉱工業生産の動きが、サービス産業等にも波及するこ とを期待したいところです。

 

◎結果掲載ページ

www.meti.go.jp

◎データ掲載資料

 

 

http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/archive/kako/20170123_1.png

 

 

◎5分間ポイント解説