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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成28年11月の鉱工業生産確報は指数値99.9で、消費税率引上げ前の平成25年第4四半期よりも高い水準に到達。11月の出荷は2か月連続の前月比上昇、輸出向け出荷は1月以来の高水準に。

まとめページ 鉱工業指数 鉱工業出荷内訳表 生産能力指数 稼働率指数

1.生産、生産能力、稼働率

 平成28年11月(確報)の鉱工業生産は、指数値で99.9、前月比1.5%上昇(10月確報98.4、前月比横ばい)となりました。これで、10月の横ばいを挟んで、4か月連続で前月比マイナスのない状態が続いています(これは、平成25年9月から翌年1月まで5か月連続上昇以来)。

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 指数値99.9も、平成27年1月の100.9以来の高水準であり、消費税率引上げ後の2番目に高い水準となりました。税率引き上げ直前の駆け込み需要期はともかく、それ以前の生産上昇が続いていた平成25年第4四半期の指数レベルが99.6でしたので、11月の99.9は、その水準も上回って来ています。「平時の高い状態」の目安を超えてきたいという評価も可能だと思います。

 10月の鉱工業生産の業種別の動きをみると、全16業種のうち、12業種が生産前月比上昇となっており、低下業種は4業種に留まっていました。はん用・生産用・業務用機械工業や電気機械工業など機械工業を中心に生産が上昇していました。

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 先行きの生産計画の調査についても、12月も11月の生産水準が維持され、さらに今年1月についても、同様に生産水準が維持又はより微増というものでありました。

  こういった動向を踏まえ、11月の鉱工業生産の基調については、「持ち直し」に上昇修正しました。

 

 11月の生産能力指数は、前月比横ばいですが、前年同月比は引き続き16か月連続のマイナスが続いています。業種別にみると、はん用・生産用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業、金属製品工業、非鉄金属工業は前月比上昇しており、その他10業種は生産能力変化なしで、11月は、生産能力が前月比低下した業種はありませんでした。

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 11月の稼働率指数は、指数値101.1、前月比3.0%上昇と2か月連続の上昇となりました。前年同月比も2か月ぶりに4.4%上昇となっており、稼働状況は良くなっています。業種別にみると、輸送機械工業やはん用・生産用・業務用機械工業など10業種が前月比上昇、鉄鋼業やパルプ・紙・紙加工品工業など4業種が前月比低下となりました。

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2.出荷(国内向け、輸出向け)

 平成28年11月(確報)の鉱工業出荷は、指数値で99.3、前月比1.0%上昇(10月確報99.2、前月比0.9%上昇)と2か月連続の前月比上昇で、これで3か月連続の前月比上昇となっています。

 生産同様に、出荷の指数値99.3も、平成27年1月の100.5以来の高水準であり、消費税率引上げ後の2番目に高い水準となりました。税率引上げ直前の駆込み需要期はともかく、それ以前の生産上昇が続いていた平成25年第4四半期の指数レベルが99.1でしたので、11月の99.2は、その水準も上回って来ています。鉱工業出荷においても、「平時の高い状態」の目安を超えてきたいという評価が可能だと思います。

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 鉱工業出荷のうち、11月の国内向け出荷指数は98.5、前月比マイナス0.3%低下となりました。先月10月指数値は一頭地抜けた高い指数値となっていましたが、そこから若干の低下となりました。年初から上昇基調にあった国内向け出荷指数は、平成27年平均の96.2のみならず、平成26年平均の98.1を超える水準を保っており、消費税率引上げ後の高い水準を維持しています。

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 11月の国内向け出荷の業種別の動きをみると、14業種中5業種が前月比低下でした。低下寄与が大きかったのは、輸送機械工業(前月比マイナス0.9%低下)、鉄鋼業(前月比マイナス1.6%低下)、非鉄金属工業(前月比マイナス2.6%低下)といった業種で、特に輸送機械工業の前月比低下への影響が大きくなっています(2位の鉄鋼業のほぼ倍)。

 11月輸送機械工業の国内向け出荷の低下が目立つとは言っても、その指数値は103.6であり、平成27年平均96.7、平成26年平均100.4に比べて高い水準となっています。輸送機械工業の中の低下寄与品目も、船舶関連、航空機関連(部品類)であり、乗用車の国内向け出荷は前月比1.0%上昇、自動車部品前月比0.5%上昇となっており、自動車関連の国内向け出荷は検討な推移となっています。

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 鉱工業出荷のうち、11月の輸出向け出荷指数は103.9、前月比6.3%上昇と大きめの上昇となりました。平成28年の輸出向け出荷の推移をみると、1月に指数値100.7をみせたもの、2月以降指数値は90台に低迷していましたが、11月になって指数値103.9と高い水準となりました。この103.9という指数は、平成27年1月の110.2以来ですし、さらに遡っても実は、東日本大震災前の平成23年2月の109.3まで超える指数は出てきません(平成24年3月に103.7がある)。こうみると、11月の輸出向け出荷103.9は、かなりレベルの高い指数であることが分かります。

 11月の輸出向け出荷の業種別の動きをみると、14業種中1業種が前月比上昇でした。上昇寄与が大きかったのは、輸送機械工業(前月比5.3%上昇)、非鉄金属工業(前月比25.8%)、電子部品・デバイス工業(前月比6.1%上昇)でした。

 製造業の部品・材料類である鉱工業用制酸剤、設備類の資本財の輸出がけん引役でした。

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 11月の鉱工業出荷は、10月に続いて勢いのある状態でした。その主役は、10月までと異なり、輸出向け出荷の前月比上昇が大きな寄与をみせました。輸出向け出荷が鉱工業出荷のけん引役(寄与が大きかった)だったのは、平成28年1月以来のことであり、その意味で、11月は輸出主導の鉱工業出荷でした。ただ、国内向け出荷の水準も低い訳でなく、平成28年通年で上昇基調で、11月には「平時の良い状態」となっていました。

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◎経済解析室ニュース

http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/archive/kako/20170120_1.html

 

◎図表集スライドショー

 

 

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