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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

11月のサービス産業全体の勢いは、対事業所サービスによって生み出されたもの。個人向けサービスは、前月比横ばいで、平成28年後半の対個人サービスの指数推移には停滞感。

 第3次産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス」と「広義対事業所サービス」に分けることができます。

対個人は前月比横ばい、対事業所は2か月連続で前月比上昇

 11月の対個人サービス活動指数は、指数値104.8、前月比横ばいです。

対個人サービスの推移グラフをみると、6月の指数値104.7から大きな変動がなく、横ばい推移となっています。

 ひるがえって、平成28年前半の対個人サービスの推移をみると、1月、2月と比較的大きめの前月比上昇があったのですが、3月、4月、5月と3か月連続で前月比低下となり、2月の105.5から5月の103.9まで大きく低下しました。平成28年の対個人サービスは、前半に大きな上下動を見せた後、年後半は狭いレンジでの動きとなっており、それは、年前半に大きな上昇があったことから、停滞気味の推移という様相でした。

 一方、11月の対事業所サービス活動指数は、指数値104.0、前月比0.5%と2か月連続の前月比上昇でした。前年同月比も20か月連続のプラスであり、水準も高くなっています。

 平成28年の対事業所サービスの推移をみると、4月の特異的な前月比上昇とそこからの5月の大きな反動減がありますが、それ以外の期間では、年初の指数101~102台から、緩やかな上昇が続き、年後半には103台後半から104での推移となっていました。指数の推移をみると、平成28年の対事業所サービスは安定した上昇基調でした。

 

対事業所サービスの前月比上昇寄与が大きかった

 11月の第3次産業活動指数の前月比上昇を、対個人と対事業所の寄与に分けると、対事業所サービスの上昇寄与ということになります。

 平成28年の11か月間のうち、第3次産業全体が前月比プラスとなったのは6回でしたが、その6回のうち、1、4、6、7、11月の5回は対事業所サービスのプラス寄与によるものでした。やはり、平成28年は通年で、対事業所サービスの堅調さに支えられていたようです。

 

対事業所サービスの内訳の動き

 各サービスの内訳を見てみます。

 11月のサービス産業全体の押し上げ要因となった対事業所サービスでは、株式取引である流通業務(前月比32.3%)、そして土木・建築サービス業の中の建設コンサルタント(前月比12.8%)の寄与が突出して高くなっています。これらに次ぐ2番手群としては、その他の卸売業、地質調査などが続きます。

 建設コンサルタントや地質調査を含む事業者向け関連サービスでは、広告業が前月比低下していたり、横ばいや微増に留まっている業種が多かったりと、大分類業種としては上昇幅が限定的でした。

 ただ、対事業所サービスのけん引役となった個別サービスを含む技術サービス業は、前月比10.7%上昇と大きく上昇しており、企業の設備投資や新製品開発のためのサービス需要の堅調さが伺えます。また、卸売業の中でも、建築材料や化学製品といった素材系の卸売業が堅調でした。

 対事業所サービスは、そのサービスの相手先が主に製造業なのか、非製造業なのかに応じて、製造業依存型と非製造業依存型に分類できます。

 11月の非製造業依存型サービスは、指数値106.5、前月比1.4%上昇と2か月ぶりの上昇で、製造業依存型サービスは、指数値97.5、前月比マイナス0.1%低下と2か月ぶりの低下でした。製造業依存型サービスの前月比低下幅も微減であり、前年同月比のプラスも続いていることから、11月の製造業依存型サービスもひどく不調ということではありません。

 とはいえ、非製造業依存型サービスは前月比上昇で、11月の対事業所サービスの前月比上昇への寄与としては、非製造業依存型サービスによるものであったことになります。

対個人サービスの内訳の動き

 11月は前月比横ばいとなった対個人サービスでは、ゲームソフト(開発)、機械器具小売業、ホテルといった個別系列がプラス方向に作用しました。他方、自動車整備業や「食堂,レストラン,専門店」といった個別系列がマイナス方向に作用しました。

 11月の業種別の動静では、生活娯楽関連サービスが大きな低下要因となっていましたが、その低下分をゲームソフトや小売業の一部等が補って、対個人サービスを前月比横ばいに落ち着かせたということができます。

 さて、対個人サービスも、生活必需的な性格の強い「非選択的個人向けサービス」と選択性が強く、上下動し易い「し好的個人向けサービス」に分けられます。

 11月の非選択的個人向けサービスは、前月比0.3%上昇と2か月連続の前月比上昇で、し好的個人向けサービスも、前月比0.4%上昇と2か月ぶりの前月比上昇となりました。両系列とも勢いを感じられませんが、し好的個人向けサービスでは、11月まで前年同月比マイナスが4か月続いており、水準感が良くありません(平成27年11月も前年同月比マイナスなので、2年連続)。

 

対事業所サービスは堅調な推移、対個人サービスには停滞感

 11月のサービス産業全体の勢いは、対事業所サービスによって生み出されたものとなります。製造業向けのサービスは微減ではありますが、非製造業向けのサービスが堅調な推移となっていました。前年水準を上回る状態が続いており、第3次産業の水準を押し上げる役割を担っています。

 他方、個人向けサービスは、前月比横ばいで、平成28年後半の対個人サービスの指数推移には停滞感があります。非選択的サービスは、かろうじて平成27年平均の指数水準を11月も維持してはいますが、し好的サービスは前年同月水準を下回る状態が続いており、月々の変化の方向も、少し上昇すると低下するという感じであり、なかなか上昇の「きっかけ」が見えない状態です。

 

 

 

最新結果の概要|第3次産業活動指数|経済産業省

 

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