経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

情報通信業、卸売業、「金融業,保険業」が11月のサービス産業の牽引役。生活娯楽関連サービスが、「一弱」で低下要因となった。

 平成28年11月の第3次産業活動指数は4か月ぶりに前月比上昇でしたが、11大分類業種のうち、6業種が前月比上昇、5業種が前月比低下でした。

情報通信業と「金融業,保険業」が2か月連続前月比上昇

 前月比上昇業種6業種のうち、影響度が大きいのが上位3業種の情報通信業、卸売業、「金融業,保険業」の3業種で、2番手グループの事業者向け関連サービスや「医療,福祉」の寄与に対して、各業種とも倍以上の影響度を持っています。

 寄与が最も大きい情報通信業は、指数値111.1、前月比1.6%上昇で2か月連続の前月比上昇です。内訳としては、情報サービス業、特にソフトウェア業の上昇によるものでした。ソフトウェア業の前月比上昇が押し上げ要因であったのは、10月、11月で共通ですが、その中身は異なります。10月は、企業向けである受注ソフトウェアの上昇寄与が大きかったのですが、11月は、ゲームソフトの上昇寄与が非常に大きくなっています。

 また、情報通信業の指数値は111.1となり、前年同月比もプラスが続いており、水準的には、高いレベルになっています。平成27年の年平均指数が106.7ですので、110を超える11月の指数が、いかに高いレベルであるか分かります。

 次いで寄与が大きかったのは卸売業で、指数値95.7、前月比1.2%上昇で3か月ぶりの前月比上昇となりました。内訳業種としては、「建築材料,鉱物・金属材料等卸売業」や飲食料品卸売業の前月比上昇の影響が大きくなっています。

 卸売業は、産業使用者向けの卸売業と小売業向けの卸売業に分類できます。ともに2か月連続の前月比上昇となっていましたが、11月は産業使用者向け卸売業が前月比0.6%上昇、小売業向け卸売業が前月比1.3%上昇となっており、(小売業自体は前月比低下ですが)11月は小売業向け卸売業の調子が、相対的には良かったようです。

 

 3番目に上昇寄与が大きかったのは、「金融業,保険業」で、指数値113.4、前月比1.2%上昇と2か月連続の上昇です。この業種は、平成28年3月から6月まで前月比でプラスがなく、このため、平成28年6月から5か月連続で前年同月比マイナスと水準が低下していました。しかし、11月には、6か月ぶりに前年同月比がプラスとなり、少し水準も戻ってきました。いわゆる「トランプ相場」で、株式取引(流通業務)が活発になったことが主因となっています。

娯楽業が低下し、生活娯楽関連サービスが前月比-2.5%

 さて、11月の低下5業種のうち、低下寄与が最も大きかった業種は、生活娯楽関連サービスで、指数値96.1、前月比マイナス2.5%低下と2か月連続の低下でした。この1業種の低下寄与だけで、他の低下4業種の低下寄与を合計したものの2倍となっていました。11月のサービス産業の低下は、生活娯楽関連サービスの低下によるものと言えます。

 内訳をみると、生活娯楽関連サービスのウェイトの4分の1を占める娯楽業が、前月比マイナス5.9%低下と2か月連続の前月比低下となり、前月比低下幅も大きくなっています。娯楽業の前年同月比は、11月にマイナス10.1%低下と、前年水準から1割も低下してしまいました。平成28年7月に前年同月比が一時的にプラスとなることもありましたが、それを除くと前年割れが平成27年後半からほぼ1年間続いていており、不調です(パチンコホール、公営ギャンブル、スポーツ関係が軒並み悪い)。基調的に弱くなっているところに、11月の天候不順が響いたようです。

 また、ウェイトが3分の1弱となる「飲食店,飲食サービス業」の11月指数が、前月比マイナス1.6%低下と生活娯楽関連サービス業の低下要因となりました。この指数の前月比低下は3か月ぶりです。この飲食関連の指数は、平成27年の第4四半期から平成28年の第2四半期まで前期比マイナスですが、第3四半期は4四半期ぶり前期比プラスとなっています。第4四半期についても、10月、11月の平均は、第3四半期の実績を大分上回っている(10、11月平均103.7、第3四半期102.1)ので、2期連続の前期比プラスとなる可能性が高いと思います。「飲食店,飲食サービス業」の11月指数の前月比低下は、10月までの2か月連続上昇からの一時的な反動減だと解釈できるかと思います。

 

 とはいえ、自動車整備業、結婚式場業や写真業などの「その他の生活関連サービス業」、洗濯・理容・美容・浴場業など、ほとんどの中分類業種が前月比低下となっており、生活娯楽関連サービス全体に勢いがなかったというのも事実です。

 

11月は、生活娯楽関連サービスの「一弱」

 11月のサービス産業の業種別動静をみると、情報通信業が、多くの内訳が安定的に推移する中で、人気タイトルが発売されたゲームソフトが好調だったことにより、また、「金融業,保険業」がいわゆるトランプ相場で株式取引が活況だったことにより、2か月連続で前月比上昇したこと、そして卸売業が3か月ぶりに上昇に転じたことが主因となって、全体を押し上げていました。

 他方、生活娯楽関連サービスが、娯楽業の全般的な低下などにより大きく前月比低下し、まさに「一弱」の様相となっていました。

 

最新結果の概要|第3次産業活動指数|経済産業省

 

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