読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成28年Ⅲ期には、出荷海外比率も、海外市場比率も前期に比べて低下。日系製造業の活動においては、国内ビジネスの「重み」が増しているという結果。

 日本の製造業のグローバル化の進展具合を見るべく、グローバル出荷指数を用いて、出荷海外比率や海外外市場比率といった、「グローバル化比率」を、グローバル出荷指数を用いて算出することができます。

 

 出荷海外比率:グローバル出荷に占める海外拠点からの出荷の比率

 海外市場比率:グローバル出荷のうち、海外市場向けに出荷される比率

 逆輸入比率 :日本の輸入のうち、日系海外現地法人が日本向けに出荷したものの比率

 

f:id:keizaikaisekiroom:20170110163611p:plain

f:id:keizaikaisekiroom:20170110163644p:plain

出荷海外比率

 まず、平成28年Ⅲ期の出荷海外比率は29.5%で、この出荷海外比率を前年同期と比較すると、実に平成24年Ⅰ期以来、18期ぶりに前年同期比低下となりました。

f:id:keizaikaisekiroom:20170110163627p:plain

 その低下の要因は、国内要因(国内出荷の減少)というよりは、海外要因(海外出荷の減少)によるものでした。出荷海外比率の上昇に対して、国内要因の寄与が大きくなるというのは、昨年までとは違う動きで、平成28年Ⅰ期からの特徴です。海外出荷指数が少し停滞しており、国内出荷の変動の影響が相対的に大きくなっています。また、国内出荷の前年同期比低下幅も縮小しており、出荷海外比率の変化に、舵が切られるのか注目されるところです。

 季節調整を施した出荷海外比率の経時的変化を確認すると、平成28年Ⅲ期は前期よりも低下しています。平成27年までの緩やかな上昇とは異なり、平成28年に入ると出荷海外比率は横ばい推移となっていましたが、Ⅲ期には、若干低下することとなりました。海外出荷が、第三国向け出荷、アジアの現地法人の出荷を中心に、前期比低下となった結果です。

 

 業種的には、輸送機械工業の出荷海外比率が微妙に低下しているほか、化学工業の出荷海外比率も低下傾向にあります。

f:id:keizaikaisekiroom:20170110163654p:plain

 

外市場比率

 平成28年Ⅲ期の海外市場比率は40.5%でした。季節調整を施した海外市場比率をみると、過去最高となった平成28年Ⅰ期から2四半期連続での低下となっています。

 海外市場比率も、出荷海外比率と同様に、平成28年に入って天井感が出てきていると言えるかと思います。業種的には、主要業種の中では、「はん用・生産用・業務用機械工業」のみが海外市場比率を上昇させており、多くの業種で海外市場比率が低下しています。特に、ウェイトの大きい輸送機械工業の海外市場比率が平成28年に入ってⅡ期、Ⅲ期と比率を下げている影響が大きいものと思われます。

f:id:keizaikaisekiroom:20170110163706p:plain

 

逆輸入比率

 さて最後に、平成28年Ⅲ期の逆輸入比率ですが、比率自体は24.6%でした。季節調整値で時系列変化をみると、前期より逆輸入比率は少し低下していました。ただ、1年を通じて低下傾向であった平成27年と異なり、平成28年Ⅰ期を底に逆輸入比率は、前年よりも少し上向いた推移となっています。 

 業種的には、この2四半期を通じて、「はん用・生産用・業務用機械工業」と「電気機械工業」の逆輸入比率が上昇しています。鉱工業総供給表をみると、これらの業種の輸入は好調とは言い難く、海外現地法人の日本向け出荷が伸びているというよりは、これらの業種の輸入量自体が低下した結果、日系製品の比率が高まったという解釈が妥当かと思います。

 輸送機械工業の逆輸入比率の低下傾向は続いているので、輸送機械工業では、日本市場も含めた地産地消化、それは日本市場に限定していえば「日本回帰(日本で需要されるものは日本で作る)」が進行しているのかもしれません。

f:id:keizaikaisekiroom:20170110163838p:plain

 また、製造業全体でみた逆輸入比率は前年に比べると少し高くなっていますが、それは、輸入全体が低下している(鉱工業総供給表では、平成28年Ⅱ期の指数値110.9、Ⅲ期111.8で、平成27年平均の116.4から大きく低下している)ことの反映であり、国内需要が海外生産にシフトしているということではなさそうです。

 

 平成28年Ⅲ期のグローバル化比率を概観すると、国内ビジネスの「重み」が増しているという結果になるかと思います。

 

 

◎ミニ経済分析のページ

グローバル出荷指数(平成22年基準)について(平成28年Ⅲ期(第3四半期))|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎スライドショー

 

 

◎過去のグローバル出荷指数についての資料は、こちらです。

f:id:keizaikaisekiroom:20161028140846p:plain

 

 

f:id:keizaikaisekiroom:20170112101103p:plain

 

 

関連エントリー

 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

 

 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

 

 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

 

 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com