経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成28年Ⅲ期の海外現地法人からの出荷では、「第三国向け」出荷が大きく低下。北米地域以外に立地する現地法人からの出荷も低下している。

 海外現地法人の活動をあらわす海外出荷指数については、業種別指数のほか、出荷先の属性ごとに集計した仕向け先別指数や現地法人の立地場所ごとに集計した地域別指数も作成しています。

 

仕向け先別海外出荷指数

 平成28年Ⅲ期の仕向け先別指数をみると、現地法人の立地国向けである「自国向け」は指数値133.1、前期比横ばいでした。「日本向け」は指数値109.3、前期比マイナス0.8%と3期連続の前期比低下、「第三国向け」は指数値120.4、前期比マイナス4.4%と2期連続の前期比低下でした。

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 海外出荷に対する変動寄与をみると、海外出荷の前期比マイナス0.5%低下に対し、「第三国向け」指数が2期連続の前期比マイナス1.1%ポイントの低下寄与となっており、他の仕向け先別海外出荷の寄与は無視出来るレベルでした。

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 海外出荷に占める構成比を確認すると、当期前期比横ばいだった「自国向け」出荷の構成比が62.9%と過半を超えており、次いで「第三国向け」出荷が26.4%を占めています。平成28年Ⅲ期の海外出荷では、海外出荷の全体に占める構成比が4分の1強の「第三国向け」海外出荷の低下が、日系製造業の海外現地法人の活動レベルを低下させていたことになります。

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 この「第三国向け」海外出荷指数は、平成26年Ⅳ期に一旦ピークとなって後、その水準から若干落ちた指数水準で横ばい推移となっていましたが、当期に前期比4%以上の低下と大きな下落を見せました。全体に占める構成比が10.7%の「日本向け」海外出荷指数も、平成27年Ⅰ期をピークに、この1年半指数値を緩やかに低下させています。  

 

 仕向け先別海外出荷指数の構成比やその推移を見る限り、海外現地法人のビジネスは、「地産地消」であり、生産コストの優位性を求めた「輸出基地」という性格は大分薄れてきています。そのような中で、当期においては、日系製造業の海外現地法人の多国間取引が大きく低下したことになります。

 

地域別海外出荷指数

 さて、平成28年Ⅲ期の地域別指数をみると、北米に立地する現地法人からの出荷は、指数値158.7、前期比2.9%上昇と2期ぶりに前期比上昇となりました。

 他方、中国に立地する現地法人からの出荷が指数値124.1、前期比マイナス2.1%低下と2期ぶりの前期比低下、ASEAN4指数は115.3、前期比マイナス1.1%低下と2期ぶりの前期比低下となりました。これらの主要地域以外の海外現地法人の出荷も前期比マイナス2.7%低下でした。

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 海外出荷に対する変動寄与をみると、海外出荷の前期比マイナス0.5%低下に対し、中国指数が前期比マイナス0.5%ポイント、ASEAN4指数が前期比マイナス0.2%ポイントのそれぞれ低下寄与となった一方、北米指数は前期比0.9%ポイントの上昇寄与となっており、唯一海外出荷を支えていました。

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 地域別海外出荷指数の推移をみると、北米指数だけが伸びていることが改めて確認できます。北米指数は、基準年である平成22年から6割近い伸びとなっており、中国指数が2割強の伸び、ASEAN4指数や「それ以外の地域」指数が2割も伸びていないことと好対照となっています。

 海外出荷指数の地域別構成では、北米が30.9%を占めるようになっており、中国が20.2%の構成比を維持してはいるものの、日系製造業の海外現地法人の「伸び」という意味では、北米一強という状態になっています。

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平成28年Ⅲ期は、国内出荷と北米からの出荷が健闘

 平成28年Ⅲ期のグローバル出荷指数(国内出荷と海外出荷)の前期比0.3%上昇に対して、国内出荷の上昇寄与0.4%ポイントで、北米からの海外出荷の上昇寄与も0.3%ポイントとなっています。

 当期の日系製造業のグローバル出荷の特徴は、日本国内の生産拠点と、北米の現地法人の拠点の「復調」ということができるでしょう。

 

 

◎ミニ経済分析のページ

グローバル出荷指数(平成22年基準)について(平成28年Ⅲ期(第3四半期))|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎スライドショー

 

 

◎過去のグローバル出荷指数についての資料は、こちらです。

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