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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

中国に進出した卸売業現地法人は、主に日系製造業の中国現地向け、さらに日本市場向けの販社としての色彩が濃く、取引先における広義の日系の存在感が大きい。日本の製造業の海外展開における中国の存在感の増大とともに、日系の非製造業現地法人の存在感も増加してきた。

ミニ経済分析 グローバル化 産業構造の変化

 2014年度段階の中国に立地している非製造業の日系現地法人のデータを確認すると、それらの法人は、いまだ日系製造業の流通網を担っているという性格が濃いものと思わせるデータとなっていました。

 というのも、中国に立地する非製造業現地法人では、卸売業の比率が高い上に、その卸売業法人に対する日本側の影響力(出資、派遣人員)が強くなっており、また、企業規模が小さく、「出先」的色彩が強いからです。

 そこで、これらの非製造業現地法人の取引の内容を確認してみます。

 

 中国の日系非製造業現地法人の売上高向け先構成比をみると、現地販売が65%と最も多く、次いで、第三国向け輸出25%、日本向け輸出10%となっています(卸売業を除く非製造業に限ってみると、現地販売が4分の3を占めます)。

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 さらに、向け先の3分の2を占める現地販売について詳細をみてみると、地場企業向けが61%と多くを占め、多いように見えます。しかし、これを売上全体に占める割で見てみると、実は現地の地場企業向けの売上比率は4割に届いていません。他方、日本向け輸出と現地日系企業向けの売上を併せると、その比率は全体の4分の1に近いものとなっています。

 

 中国非製造業現地法人の仕入先別構成比をみると、現地調達がちょうど半分を占め、次いで、日本からの輸入32%、第三国からの輸入18%となっています(卸売業を除く非製造業に限ってみると、現地調達が8割と大半を占めます)。

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 仕入先の半分を占める現地調達について詳細をみてみると、卸売業では日系企業からの仕入れが最も多く、このため、広義の日系からの仕入れが5割を超えています。

 

 ちなみに、中国非製造業現地法人の研究開発費は184億円、設備投資額は844億円で、全地域に占める割合はそれぞれ6%と2%と、企業数や売上高の規模に比べ低い水準となっています。

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 日本の製造業のグローバル化は進んでおり、日系製造業の海外現地子会社の出荷数量を指数化した「海外出荷指数」も、2015年度には129.(2010年=100)と過去最高になっています。現地法人の立地地域別の内訳では、北米地域の割合が32.3%と最も高いのですが、これに次ぐのが中国(含香港)で20.3%となり、10年前から比較すると、構成比が5%ポイントほど増加しています。

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 翻って、中国の非製造業現地法人の全地域に占める割合を、2000年度から2014年度までの間でみてみると、中国の占める割合は年々増加し、各項目については3倍近く増加している。

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 中国に立地する非製造業の現地法人の取引関係においては、売上先では現地販売が多いのですが、その中に現地の日系企業向けも存在しており、現地地場企業、広義の日系向けの販売が多くなっています。

 また、仕入れ先を見ると、日本からの輸入と現地の日系企業からの割合が高くなっています。このように、広義の日系との取引が盛んであるので、日本の製造業における中国立地日系現地法人の存在感が増加するとともに、中国の非製造業の存在感も増してきました。

 では次回は、2014年から2015年にかけての中国と日本製造業の取引量の変化と、中国の日系非製造業の現地法人数の2014年度中の変化についてみていきます。

 

 

 

 

◎スライド資料

中国における日系非製造業現地法人の実像;2014年度海外事業活動基本調査結果に基づいて|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

 

 

 ◎ミニ経済分析の一覧表

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