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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

中国に進出している日系サービス業(非製造業)の現地法人は、他地域の現地法人に比べて規模が小さく、沿海部に集中的に立地していることがデータから確認できる。

 中国と日本との経済関係というと、「財の貿易」と「インバウンド」というイメージが強いのではないでしょうか。

 しかし、経済産業全体のサービス化の進展から、「サービスの国際取引」も重要になってきています。

 「サービスの国際取引」には、「国境を越える取引」「海外における消費」「業務上の拠点を通じてのサービス提供」「自然人の移動によるサービス提供」の4態様があります。いわゆる「インバウンド」は、第4モードの「自然人の移動によるサービス提供」ですが、現地法人を設立して行う「サービスの国際取引」は、第3モード「業務上の拠点を通じてのサービス提供」となります。

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 中国における日系現地法人というと、製造業のイメージが強いですが、今回は、最新の集計である2014年度実績を集計した「海外事業活動基本調査」のデータから、中国における非製造業の日系現地法人の状況を確認し、その特徴をまとめてみたいと思います。 

 

  データソースである海外事業活動基本調査で、中国の非製造業現地法人のデータが確認できるのは、昭和63年度(1988年度)調査からで、その時の非製造業法人数は40社でした。さらに、今世紀に入る直前には1,000社に満たなかった非製造業現地法人数も、約15年で3倍に増加し、2014年度末時点で、約3,600社の非製造業現地法人(現地法人全体は、約7,600社)が中国に立地していました。

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 全世界でみると、日系現地法人のうち、非製造業の現地法人の割合は56%で、中国の場合は、47%ですので、世界平均よりも、中国の日系現地法人における非製造業の割合の方が低くなっています。また、東南アジア諸国、新興国などで、非製造業の現地法人の割合が低い(製造業の現地法人の割合が高い)傾向がみられるようです。

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 中国非製造業現地法人の大部分、2,869法人が日本側の100%出資子会社で、特に卸売業は、2,075法人のうち、1,837法人(89%)が100%出資子会社となっており、中国の非製造業現地法人では、現地資本との合弁というよりは、日本側がコントロールする完全子会社が多いようです。

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 中国の非製造業現地法人の地理的分布を見ると、上海市だけで41%を占め、次いで香港が27%、広東省8%となっており、その多くが沿岸地域に分布していることも分かります。

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 中国非製造業現地法人の1社当たりの従業者数は80人、1社当たりの売上高は6.5億円ほどです。他方、日系現地法人の世界平均の従業員数は111人、売上高は13.3億円となっています。ということは、中国の非製造業現地法人は、日系非製造業の現地法人の世界平均の半分ほどの企業規模ということになります。中国非製造業現地法人の1社当たりの従業者数、売上高が世界平均を下回るのは、業種全体に共通する傾向でもありました。

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 まずは、中国に立地する日系非製造業現地法人の特徴をいくつかご紹介しました。

 次のエントリーでは、どういった業種の非製造業の現地法人が多いのか等の業種別のデータを確認していきたいと思います。

 

 

 

◎スライド資料

中国における日系非製造業現地法人の実像;2014年度海外事業活動基本調査結果に基づいて|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

 

 

 ◎ミニ経済分析の一覧表

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