経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

対事業所/対個人サービス、共に10月は前月比上昇ではあるが、内訳では、し好的個人向けサービスや非製造業向け事業所サービスは前月比マイナスで、全体が継続的に前月比上昇するという局面ではない。

 10月の第3次産業総合は前月比0.2%上昇でしたが、広義対個人サービスは前月比0.4%上昇と2か月連続の前月比上昇、広義対事業所サービスも前月比0.2%上昇と3か月ぶりの上昇となりました。この2か月は、対個人サービスがサービス産業を上に押し上げる役割を果たしており、2か月連続で上昇寄与となっています。

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 この対個人サービスは、生活必需的な性格の強い「非選択的個人向けサービス」と選択性が強く、上下動し易い「し好的個人向けサービス」に分けられます。10月の非選択的個人向けサービスは、前月比0.7%上昇と2か月ぶりの前月比上昇で、し好的個人向けサービスは、前月比マイナス0.7%低下と2か月ぶりの前月比低下となりました。対個人サービス全体は前月比上昇ですので、10月は生活必需的サービスの活動が全体の押し上げ役ということになります。

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 今年の対個人サービスの内訳をみると、非選択的サービスとし好的サービスが共に上昇することが少なく、1月、2月と6月しかありません。各系列の前月比の方向も毎月変化することが多く、連続して前月比上昇を見せたのは、非選択的サービスで今年の1~3月、し好的サービスで1、2月のみでした。このため、個人サービス全体も前月比が連続して上昇するということが、今年の1、2月以来ありませんでした。

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 しかし、やっと9月、10月2か月連続で、対個人サービス指数が前月比上昇となりました。少し個人のサービス需要や財需要に上向く兆しが出ているのかも知れません。

 

 一方、対事業所サービスは、今年前半、前月比上昇となる月が多く、3、4月、6、7月と連続上昇も見られ、勢いがありました。しかし、8、9月が2か月連続の前月比低下となり、対事業所サービスの勢いもこれまでかと思われましたが、10月は前月比0.2%上昇となって、ずるずると指数が低下していくということは避けられました。

 前年同月比のプラスも19か月連続となり、平成25年101.3、平成26年100.6、平成27年101.7に比べ、10月の指数値103.5と高い水準になっています。

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 この対事業所サービスは、その需要先の業種によって、製造業依存型サービスと非製造業依存型サービスに分けて集計することができます。10月は、製造業依存型事業所向けサービスは前月比0.3%上昇と2か月ぶりの上昇、非製造業依存型事業所向けサービスは前月比マイナス0.1%低下と小幅ではありますが2か月ぶりに前月比低下となりました。10月の広義対事業所サービスの3か月ぶりの上昇は、製造業依存型事業所向けサービスの貢献によるものであったことが分かります。鉱工業生産は10月まで3か月連続上昇であり、鉱工業出荷も2か月連続で、10月の前月比上昇幅も大きく、国内製造業の勢いが持ち直してきており、その影響がはっきりと現れたと言えるかと思います(卸売業の回復など)。

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 勿論、非製造業依存型事業所向けサービスも不調ということではありません。サービスビジネス全体が、ここの所、高い水準での小さな振れ幅の中での動きとなっており、ここ3か月ほどは狭いレンジでの動きといなっているに留まります。10月の指数値105.0は、リーマンショック後の指数レベルとしては、高いレベルです(2008年11月に105を割り込んでから、今年の1月106.0、4月106.4、7月の105.9、9月105.1となったことに続く、105台以上の水準)。

 非製造業となる建設業の活動指数も、今年の4月から7月まで4か月連続で前月比上昇が続き、8月に一旦マイナスとなりましたが、最新の9月は前月比2.0%上昇と大きく上昇しました。4月以降前年水準を上回る状態が続いており、指数レベルも114.4と高いレベルとなっています(平成25年109.6、平成26年109.1、平成27年109.1)。

 

 引き続き、第3次産業活動、建設業活動の活発化によって、非製造業依存型事業所向けサービス指数が上昇するとともに、鉱工業生産、出荷の持ち直しに伴って、製造業依存型事業所向けサービスが上昇局面を持続することを期待していきたいと思います。

 

 

◎結果概要ページ

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◎図表集スライドショー 

平成28年10月のサービス産業活動 図表集

 

 ◎データ公表資料

 

 

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