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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

財とサービスの個人向けと事業所向けの動向について

 今回のひと言解説では、経済産業省の鉱工業総供給表と第3次産業活動指数を用いて、「財」の供給と「サービス」の活動について、「個人向け」と「事業所向け」に分けて、それぞれの動向を確認してみたいと思います。

 まず、経済産業省の鉱工業総供給表(2010年=100)で、「財」の供給動向を「個人向け」と「事業所向け」に分けて見てみます。「財」は国産品と輸入品の両方を含みます。
 乗用車や薄型テレビ、化粧品などを含む消費財を「個人向け」、電子部品などの生産財と生産用機械などの投資財を併せたものを「事業所向け」として、それぞれの供給動向を見てみると、「事業所向け」と比較して「個人向け」の財の動きが弱くなっていることが確認できます。「事業所向け」の財は、内訳の「投資向け」が全体の伸びをけん引していますが、「個人向け」は、2013年以降低下しており、2016年に入っても指数水準は低いままです。

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 2013年以降の「個人向け」の低下には、耐久消費財の低下が大きく影響しています。
 耐久消費財の供給動向を用途別にみると、薄型テレビなどを含む教養・娯楽用の財の指数水準が、2010年の100から2015年には54.0と大幅に低下しています。

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 次に、経済産業省の第3次産業活動指数(2010年=100)で、「サービス」活動の動向を「個人向け」と「事業所向け」に分けて見てみます。
 「サービス」では、先ほどの財の動きとは反対に、「事業所向け」と比較して、「個人向け」の動きが強くなっています。「個人向け」は、医療,福祉に下支えされる形で上昇を続けていましたが、2016年第2四半期以降は伸び悩んでいます。
 「事業所向け」は、リーマン・ショック発生翌年の2009年に大幅に低下し、その後、横ばい傾向で推移していましたが、2016年第2四半期に内訳の「投資向け」等が大きく伸びたことから上昇し、「個人向け」の水準に近づいています。「事業所向け」は第3四半期もプラスの伸びを示しましたが、「投資向け」の勢いは持続していません。

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 今後は、「財」の「個人向け」供給が回復するのか、今年の第2、3四半期に高い水準となった「サービス」の「事業所向け」活動がこのままの水準を維持できるのかが注目されます。

 「サービス」の「事業所向け」の活発化に伴って、「財」の「事業所向け」供給も増加していくことが期待されますが、「事業者向け」の内訳である「投資向け」の勢いは持続していないため、先行き慎重に見ていく必要があると思われます。また、「サービス」の「個人向け」についても、足元でやや弱い動きを見せていることから、先行き注視していく必要があると思われます。

 

  

◎ひと言解説の一覧表

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