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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成28年第3四半期のサービス産業(第3次産業)活動指数は、前期比0.4%上昇と3四半期連続の前期比プラス。対事業所サービスが、前期比0.5%上昇と2四半期連続上昇で、けん引役。対個人サービスも2四半期ぶりの前期比上昇だが、「医療,福祉」の回復による部分が大きく、勢いに欠ける。

第3次産業活動指数

 今年の第3四半期、7-9月期の第3次産業総合の指数値は、104.2、前期比0.4%上昇となり、3四半期連続の前期比上昇となりました。
 リーマンショックが発生した以降、2009年(平成21年)からは、四半期ベースで指数値が104を超えたのは、駆け込み需要が発生した平成26年第1四半期だけであり、それを除くと、33四半期ぶり(ほぼ8年ぶり)に104台になったことになります(平成20年第2四半期以来)。

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 業種的には、8業種が前期比上昇、3業種が前期比低下でした。
 前期比上昇業種の中では、「医療,福祉」、卸売業、「金融業,保険業」、小売業の上昇寄与が大きくなっています。
 前期比低下業種については、やはり9月の低下が響いた情報通信業、天候不順の影響もあり娯楽業が伸び悩んだ「生活娯楽関連サービス」、4-6月期の水準が非常に高かったため、技術サービス業が反動的に低下した「事業者向け関連サービス」の3業種が前期比低下となりました。
 いずれにせよ、四半期でみた第3次産業活動指数は、リーマンショック前のレベルに戻りつつあります。この勢いが続いて、文字どおり「リーマン前」の水準に戻り、さらに指数が105台に伸びてくれればと思います。

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 さて、第3四半期の対事業所サービスをみてみます。
 平成28年第3四半期では、広義対事業所サービスは前期比0.5%上昇で2期連続の上昇となっています。指数値も103.6となり、2009年以降では最も高い水準です(駆け込み需要で指数がかさ上げされた平成26年第1四半期の指数値は103.1で、それもよりも高い水準)。卸売業、特に産業使用者向け卸売業や、金融商品取引や金融仲介などの金融業がけん引役でした。
 7月から9月の対事業所サービスの推移をみると、7月は前月比1.2%上昇でしたが、その後2か月連続の低下となっており、第3四半期が前期比プラスとなったのは、7月上昇分が「貯金」的に機能した結果です。

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 対事業所サービスの第3四半期の前期比上昇のけん引役であった、卸売業や「金融業,保険業」は、3業種しかない9月の前月比低下業種の内の2業種であり、この2業種の9月の指数値は、第2四半期の指数値を下回っています。また、法人需要中心の情報サービス業や投資との関連性の高い技術サービス業が前期比低下となっていることなどを含め、今年前半1、4、7月と大きめの前月比上昇幅を見せることが多く、前年比もプラスが続いていた対事業所サービスの先行きについては、必ずしも楽観できない面も出ています。
 ただ、今年は、四半期の期首に前月比が大きく上昇するというパターンが繰り返さされており、第4四半期の期首となる10月についても、2か月連続の前月比低下からの反動増を期待したいところです。

 

 次に、第3四半期の広義対個人サービスを見てみます。
 平成28年第3四半期では、広義対個人サービスは前期比0.2%上昇で2期ぶりに前期比上昇となっています。ただし、前年同期比は、2期連続のマイナスであり、第2四半期からの回復の勢いが強いとは言いにくいかと思います。
 対個人サービスの内訳では、生活必需的性格の強い「非選択的個人向けサービス」は前期比0.3%上昇と2期ぶりに上昇でした。この上昇は、概ね「医療,福祉」の前期比0.9%上昇によるものと言って良いと思います。
 他方、変動の大きい「し好的個人向けサービス」は前期比マイナス0.1%低下と2期ぶりに低下となりました。ただ、し好的個人向けサービスの第2四半期の前期比は0.1%プラスに留まり、それ以前も4期連続の前期比低下でした。前年同期比も4期連続でマイナスであり、し好的サービスの方向感、水準感の芳しくない状態が続いています。

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 第3四半期では、第2四半期に落ち込んだ「医療,福祉」の回復によって、対個人サービス全体は辛うじて前期比プラスとはなりましたが、し好的個人向けサービスの低調さは続いています。対個人サービスの不振を補ってくれていた対事業所サービスの勢いに息切れが見えるところ、先行きの不安要素が少し見えてきている感じです。

 

◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

 

◎図表集

 

◎データ冊子

 

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