経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

9月の第3次産業活動指数は前月比マイナス0.1%低下、とはいえ指数水準自体は、リーマンショック後の最高レベル維持。前月比低下業種は3業種に留まり、局所的に大きな低下が生じたものの、小幅ながら多くの業種(全11業種のうち、8業種)は前月比プラス。

 平成28年9月の第3次産業活動指数総合は,季節調整済指数104.1、前月比マイナス0.1%低下でした。今年の6月の指数値が103.9でしたが、これ以降の4か月間指数値104を挟んで、動きの小さい推移となっていますが、104台という比較的高い水準が続いています。
 ただ、基調判断を上方修正した年度明け4月からの前月比の方向をみると、前月比上昇が3回(4、6、7月)、横ばいが1回(8月)、前月比低下が2回(5、9月)と、必ずしも方向感が常に上向いているという感じでもありません。

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 さて、平成28年9月の第3次産業活動指数では、11大分類業種のうち、低下業種が3業種、上昇業種が8業種となっています。これらの上昇業種の中には、前月比1%以上の上昇幅を見せている業種も4業種あり、上昇幅が小幅だったということでもありません。9月は、第3次産業活動指数全体では前月比低下といはいえ、その低下要因は、特定業種に集中したようで、サービス産業が全般的に前月比で悪化したということではないようです。

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 9月の前月比低下業種は、情報通信業、卸売業、「金融業,保険業」の3業種でした。
 情報通信業では、情報サービス業が前月比マイナス11.4%低下と、少し大きめの低下を見せました。また、情報サービス業以外の中分類業種は前月比プラスとなっており、ここでも低下業種の集中が見られます。
 情報サービス業は、ソフトウェア業と情報処理・提供サービス業に分けられ、インターネットを利用するインターネット附随サービス業は含みません(ちなみに、9月のインターネット附随サービス業は、前月比1.6%上昇)。
 内訳のソフトウェア業は前月比マイナス8.7%低下、情報処理・提供サービス業も前月比マイナス6.7%低下とともに、大きく低下しています。法人向けパソコンの生産、出荷が8月に大きく伸び、9月に大きく下落したように、企業の情報システム投資が一巡し、9月に低下したものと見られ、それにゲームソフトの低下が同時に寄与していたようです。例年は、期末にこれらの系列は活動が活発化するのですが、今年は、ひと月早く8月に活動が活発になり、9月は盛り上がりに欠ける結果となっています。

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 卸売業では、「鉱物・金属材料卸売業」「電気機械器具卸売業」が大きく低下方向に寄与しています。9月には鉱業の輸入や石油・石炭製品工業の輸出が大きく低下していることや、情報通信機械工業のメーカー出荷が大きく低下したことが影響しているものと思われます。

 また、「金融業,保険業」の前月比低下については、ひとえに株式取引である「金融商品取引業商品先物取引業」の流通業務の前月比マイナス12.9%低下によるものです。為替相場の状況などから取引があまり活発ではなかったようです。他方、金融仲介業務等の系列を再編集した「資金提供関連産業」指数は、前月比0.3%上昇で、継続的に前月比、前年同月比は上昇しており、金融実需は安定的に推移しています。金融決済業務も前月比1.4%上昇となっており、金融業が全体的に落ち込んでいるということではなく、ここでも低下要因の特定系列への集中が見られます。

 

 9月の第3次産業活動指数の業種的な動向をみると、大分類業種で前月比低下となったのは、3業種に留まっており、また情報通信業、「金融業,保険業」では、その内訳の中で、極端に前月比低下となっている系列があることによる前月比低下となっており、その業種全体が前月比低下となっている訳ではありませんでした(卸売業では、多くの内訳系列が前月比低下)。
 9月の第3次産業活動指数は、その前月比低下幅がマイナス0.1%低下と小幅なものであり、その低下も局所的に大きく低下したビジネスの影響によるものであり、むしろ小幅の上昇を見せていた系列が多いという結果です。

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◎図表集

 

◎データ冊子

 

 

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