経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成27年度グローバル出荷指数;この年も、輸送機械工業の海外現地法人の上昇寄与によって、海外出荷の前年度比はプラス。需要面、供給面でも輸送機械工業のグローバル化が進んでいる。ただ、日本への逆輸入比率は低下しており、今後の動きに要注視。

 グローバル出荷指数とは、日本国内の製造業生産拠点と日本企業の海外現地法人(海外生産拠点)からの出荷(販売)数量を統一的に把握出来るように作成した指数です。現在は、平成22年平均を100とした指数の形で作成しています。今回は、平成27年度の結果について順次ご紹介していきたいと思います。

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 平成27年度のグローバル出荷指数は、指数値104.3、前年度比0.2%の上昇でした。日本国内の生産拠点からの出荷である国内出荷指数は、指数値96.3、前年度比マイナス1.3%低下と2年連続で前年度比低下でした。さらに、海外生産拠点からの出荷である海外出荷指数は、指数値129.6、前年度比4.2%上昇で過去最高でした。

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 グローバル出荷全体は、4年連続で前年度比上昇を続けていますが、その上昇は海外出荷の増加によるものです。この4年間、海外出荷は連続して上昇寄与となっていました。

 

 この海外出荷指数を海外現地法人の業種別に見ていきます。
平成27年度の海外出荷に占める主要4業種別構成比では、輸送機械工業が50.2%と最も多く、それに次ぐのが電気機械工業(情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業、電気機械工業の合計)の18.0%で、そのほか、はん用・生産用・業務用機械工業が6.7%、化学工業が8.6%でした。

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 輸送機械工業の構成比は、10年前から5年前ではあまり変化していませんでしたが、この5年で5%ポイントほど上昇しました。他方、主要4業種の中で、構成比の低下が目立つのは、「はん用・生産用・業務用機械工業」で、逆に構成比がほとんど変化していないのが化学工業です。
 また、電気機械工業は、この平成17年度からの5年間では構成比が上昇していましたが、その後の5年間では構成比が低下し、平成27年度には10年前の値を下回っています。海外出荷における存在感が徐々に低下していることになります。
 
 供給側のグローバル化の指標である出荷海外比率(日本の製造企業の出荷全体のうち、海外現地法人からの出荷が占める割合)を業種別に見てみます。

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 平成27年度は、輸送機械工業が48.9%で過去最高となり、その出荷海外比率はグローバル出荷指数のデータ開始(平成13年度)から一貫して高い状態が続いています。それに次ぐのが、電気機械工業で、平成27年度の海外出荷比率は31.5%でした。ただし、平成27年度は出荷海外比率が高い両業種のその変化の方向が逆向きでした。

 

 需要側のグローバル化の指標である海外市場比率(日本の製造企業の出荷全体のうち、日本以外の海外市場向けになされた出荷の割合)を業種別に見てみます。

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 平成27年度では、輸送機械工業の海外市場比率が59.5%で、日本の輸送機械工業の出荷先の約6割は海外市場ということになります。これに次ぐのが、電機械工業の40.4%でした。海外市場比率では、輸送機械工業の比率が、他業種と比べて圧倒的に高い水準となっており、日系輸送機械工業の製品が、他業種に比べてグローバルに受容されているのかが分かります。

 

 最後に、日本への輸入に占める日系現地法人の日本向け出荷の割合である逆輸入比率です。製造業全体の逆輸入比率は、平成27年度の前年度より若干低下しています。業種別では、輸送機械工業(62.7%)が若干上昇、電気機械工業(47.2%)が若干低下となっています。化学工業については、10%前後の横ばいが続いています。

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 そして、特徴的なのが、はん用・生産用・業務用機械工業です。この業種の逆輸入比率は、平成17年度の逆輸入比率60%前後から下がり続け、平成27年度では31.3%と半分近くにまで下がっています。主要業種の中で、逆輸入比率が長期的に下がっているのは、はん用・生産用・業務用機械工業だけです。
 平成27年度には、全体の逆輸入比率が低下となっており、はん用・生産用・業務用機械工業に見られるような逆輸入比率の低下が、他業種にも広がっていくのかは、要注視かと思います。

 

 

◎ミニ経済分析のページ

グローバル出荷指数(平成22年基準)について(平成27年度)|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎スライド資料

 

関連エントリー(平成28年第2四半期 グローバル出荷指数 まとめ) 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

 

 ◎PDFダウンロード

http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini065j.pdf

 

◎過去のグローバル出荷指数についての資料は、こちらです。

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