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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成27年度グローバル出荷指数;日系海外現地法人の出荷では、北米地域の出荷に勢いがある。また、海外現地法人の出荷仕向け先の多くは、その立地国向けであり、日本向けの出荷の存在感は小さくなっている。海外現地法人の活動は、10年前から「地産地消」。

 グローバル出荷指数とは、日本国内の製造業生産拠点と日本企業の海外現地法人(海外生産拠点)からの出荷(販売)数量を統一的に把握出来るように作成した指数です。現在は、平成22年平均を100とした指数の形で作成しています。今回は、平成27年度の結果について順次ご紹介していきたいと思います。

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 平成27年度のグローバル出荷指数は、指数値104.3、前年度比0.2%の上昇でした。日本国内の生産拠点からの出荷である国内出荷指数は、指数値96.3、前年度比マイナス1.3%低下と2年連続で前年度比低下でした。さらに、海外生産拠点からの出荷である海外出荷指数は、指数値129.6、前年度比4.2%上昇で過去最高でした。

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 グローバル出荷全体は、4年連続で前年度比上昇を続けていますが、その上昇は海外出荷の増加によるものです。この4年間、海外出荷は連続して上昇寄与となっていました。

 

 さて、海外現地法人の出荷量を示す海外出荷指数については、現地法人の立地する地域別指数、その出荷先の仕向け先の属性別で集計した指数も存在します。

 

 まず、地域別海外出荷指数ですが、主要3地域として、北米、中国(香港を含む)、ASEAN4(インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア)に分けて見ていきたいと思います。

 平成27年度の海外出荷指数の主要3地域の構成比ですが、平成27年度の全地域の海外出荷指数に占める北米の現地法人の出荷の割合は32.3%でした。それに次ぐのが、中国で20.3%、ASEAN地域の現地法人からの出荷は18.6%でした。

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 10年前と比較すると、北米の構成比が低下し、中国、ASEANの構成比が増加しており、日系製造業の活動がアジアにシフトしているように見えます。しかし、5年前との比較をすると、むしろ北米の構成比が大きく増加しており、5年前に近接した北米と中国の構成比において、再び北米のウェイトが拡大していることが、近年と特徴と言えるでしょう。  

 前年度比への地域別の寄与をみると、北米指数は4年連続で上昇寄与となっており、平成27年度の前年度比においても最も大きな上昇寄与を見せています。

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 こうみると、2008年の米国発の金融危機により北米地域の日系現地法人の出荷もかなり縮退したものの、それが回復してきたということが示されているものと思われます。

 

 次に、仕向け先別海外出荷指数ですが、仕向け先の属性を現地法人の立地国である「自国向け」、「日本向け」そして「第三国向け」に分けて見ていきたいと思います。

まず、海外出荷に占める仕向け先別の構成比を確認します。

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 平成27年度の海外出荷では、「自国向け」が62.7%と半分以上を占め、「第三国向け」は26.8%、「日本向け」はわずか10.5%でした、海外出荷指数の仕向け先は、圧倒的に「自国向け」で、日系現地法人の活動も「地産地消」が中心だったことが分かりました。このような構成は、ここ最近のものということではなく、10年間の構成比と比べても、あまり違いはありません。

 前年比への仕向け先別の寄与をみると、海外出荷前年度比4.2%上昇に対し、やはり「自国向け」が3.9%ポイントの上昇寄与で、「日本向け」、「第三国向け」の寄与は小さくなっています。また、「日本向け」「第三国向け」の寄与は、年々小さくなっている様相であり、海外現地法人の出荷においては、立地国向けの出荷が主な変動要因となっていると言えそうです。

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◎ミニ経済分析のページ

グローバル出荷指数(平成22年基準)について(平成27年度)|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎スライド資料

 

関連エントリー(平成28年第2四半期 グローバル出荷指数 まとめ) 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

 

 ◎PDFダウンロード

http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini065j.pdf

 

◎過去のグローバル出荷指数についての資料は、こちらです。

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