読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

第3四半期、7-9月期は、生産、出荷ともに、2期連続の前期比上昇で、在庫水準も10四半期ぶりに前年水準を下回り、在庫調整は大きく進展。

 平成28年7-9月期の鉱工業生産は前期比1.1%上昇、出荷も前期比0.5%上昇と、ともに2期連続の前期比上昇となりました。また、第3四半期の鉱工業生産は、9四半期ぶりに前年同期比がプラスに転じました。一方、鉱工業出荷の前年同期比は、この第3四半期もマイナスとなり、前年並みに戻れておらず、生産に比べると、若干勢いに欠けます(とはいえ、9月の出荷は前月比1.1%上昇)です。

f:id:keizaikaisekiroom:20161031102717p:plain

 7-9月期の鉱工業生産を引き上げていた業種は、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業といった業種です(第3四半期では、前期比上昇が10業種)。

 電子部品・デバイス工業については、4-6月期の生産が前期比マイナス5.7%低下と大きく低下しており、そこからの回復でした。他方、輸送機械工業とはん用・生産用・業務用機械工業の生産は、2期連続の前期比上昇となっており、電子部品・デバイス工業とは異なる動きとなっています。

f:id:keizaikaisekiroom:20161031103057p:plain

 需要先用途別の財別分類の動きでは、7-9月期の生産前期比上昇への寄与が大きかったのは、最終需要財というよりは、企業の中間投入となる生産財、特に鉱工業生産財でした。鉱工業生産が好調なので、その部品や原材料となる財の生産も好調だったということになります。最終需要財の中では、実は消費財、特に耐久消費財の生産の前期比寄与が大きくなっています(非耐久消費財の7-9月期の前期比はマイナス)。これは、4-6月期まで2期連続の前期比低下から、やっと反転し始めたという評価です(主に、「乗用車・二輪車」の寄与が大きい)。

 資本財の生産は、2四半期連続の前期比上昇で、製造設備用の生産上昇が支えとなっていました。また、7月まで好調だった建設業活動指数が8月には5か月ぶりに前月比低下となっていることもあるのか、建設財の生産は前期比低下となっています。

f:id:keizaikaisekiroom:20161031103038p:plain

 

 全体的には7-9月期の生産は、鉱工業生産財、製造設備用の資本財や乗用車の生産増加に支えられた様相です。消費財生産も前期比上昇ではありますが、それは一重に乗用車生産によるものであり、消費財生産が全面的に良かったとは言えません(全個別品目でみると、7-9月期の生産上昇寄与が大きかった品目は、半導体製造装置、普通乗用車)。

 他方、鉱工業出荷伸び率は生産に比べると見劣りしますが、2期連続の前期比上昇となっています。やはり、2期連続で出荷前期比上昇となっていた輸送機械工業や、3期ぶりに前期比上昇に転じた電子部品・デバイス工業の上昇寄与が大きくなっています。

f:id:keizaikaisekiroom:20161031103138p:plain

 

 このように今年の7-9月期は生産増、出荷増となって、在庫も2期連続で前期末比低下となっています。また、10四半期ぶりに、在庫の前年同期末比もマイナスとなり、消費税率引き上げ後に貯まってしまった在庫水準が確実に低下してきています(ただし,平成25年末の在庫水準105.7からすると、9月末の在庫指数111.0は、まだ高い)。

f:id:keizaikaisekiroom:20161031103025p:plain


 この結果、在庫循環図においても、7-9月期の在庫循環の進展は明らかで、既に「意図せざる在庫減局面」の半ばに達しており、今年の第2四半期と第3四半期で、在庫調整が一気に進んだようです。

 

 

f:id:keizaikaisekiroom:20161031102656p:plain

 

 

◎結果概要ページ

www.meti.go.jp

 

 

◎鉱工業図表集スライドショー

 

◎データ冊子