経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

9月の鉱工業生産は前月比横ばい、今年1月に次ぐ高い水準を維持している。パソコンや電子部品・デバイス工業の生産が反動減だったが、機械設備類や乗用車の生産増がそれらを補った。

 平成28年9月の「生産」は、季節調整済指数97.8、前月比横ばいとなりました。この結果、本年第3四半期の鉱工業生産の指数値は97.4、前期比1.1%上昇となり、2期連続の生産前期比上昇となりました。前期比上昇幅も、第2四半期、4-6月期はプラス0.2%上昇に留まり、「辛うじて」上昇という程度でしたが、第3四半期の前期比伸び率は、比較的大きいものになったと言えるかと思います。

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 9月の指数値97.8も、今年1月の98.3に次ぐ2番目に高い水準で、平成27年平均の指数値と同じです。前年同月比も2か月連続でプラスですので、やっと生産の水準感が昨年並みに戻ってきました。

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 9月の鉱工業生産を業種別にみると、速報15業種のうち7業種が前月比上昇、8業種が生産低下でした。生産上昇業種の中では、最も寄与の大きかった「はん用・生産用・業務用機械工業」、それに次ぐ輸送機械工業の寄与が、他の5業種に比べて大きくなっています。

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 前月比3.7%上昇だった「はん用・生産用・業務用機械工業」では、半導体製造装置やクレーン、圧縮機といった工場施設に設置される設備類の生産が前月比上昇となっています。寄与の大きい3品目のうち、半導体製造装置の生産指数は前月比8.6%のプラスですが、運搬用機械であるクレーンの前月比は84.4%上昇、圧縮機も前月比57.2%上昇と大きく生産が増加しました。これらの品目は8月の指数値も高く、前月の生産水準が低かった事からの反動増とは言えません。
 はん用・生産用・業務用機械工業の生産自体も、2か月連続の前月比上昇ですし、前年同月比もこの2か月連続でプラスとなっており、こういった設備類の生産は、9月も好調だったようです。

 はん用・生産用・業務用機械工業に次ぐ上昇寄与を見せた輸送機械工業では、前月比2.6%上昇でした。輸送機械工業は、5月から7月まで3か月連続上昇でしたが、8月は前月比低下でした。そこから、9月は再び前月比上昇に転じています。出荷も前月比3.1%と回復し、在庫が生産増加の元で前月比マイナス0.7%低下でした。
 9月の輸送機械工業の生産を引き上げていた品目は、普通乗用車(3.3%上昇)や軽乗用車(11.5%上昇)でした。7月や8月に実施された生産予測調査における計画通りに8月は生産が抑制され、9月には再び増産に変化したということになります。

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 一方、9月の生産低下業種の中で、低下寄与が大きかったのは、情報通信機械工業と電子部品・デバイス工業でした。この2業種は、8月の生産上昇寄与の大きかった2業種で、9月に大きく反動減となりました。
 情報通信機械工業は、そもそも生産指数が60台を割り込む水準が常態化し、稼働率水準も低く、8月の生産は、パソコンに対する法人需要が一時的に集中した結果ですので、9月に落ち込むのは想定通りかと思います。
 電子部品・デバイス工業については、昨年12月から前年水準を下回る月が続いており、それが8月に途切れたため、昨年のように9月からスマホ向け部品などの回復があるかとも思われましたが、9月は前月比マイナス2.7%低下、前年同月比も再びマイナスとなりました。電子部品・デバイス工業の生産は、なかなか昨年並みのレベルに戻れないようです。

 

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