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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

人生の「節目」の費用は一人150万円で、意外と変化なし?;人生の「節目」に関わるサービス業2業種の動き

 新たな門出を祝う「結婚」、生涯の終わりを迎える「葬儀」、人生の「節目」に関わる「結婚式場業」と「葬儀業」、今回はこのふたつのサービス業についてみてみましょう。

 第3次産業活動指数でこのふたつの業種の動きをみると、葬儀業には大きな変化はみられませんが、結婚式場業については、2009年当初から低下傾向となっており、2010年第2四半期には葬儀業を下回る水準で推移しています。

 各指数の動きを、人口動態統計を指数化したもの(試算値:2010=100)と比較してみると、死亡者数と葬儀業の指数は確かに同じような動きをしています。一方、婚姻数と結婚式場業の指数では、低下傾向という点では同じですが、結婚式場業の傾きの方がやや大きめなようです。

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 続いて、結婚式場業と葬儀業それぞれの取り扱われる時期(四半期ごと)と件数、1件当たりの単価(売上高÷件数)についてみてみましょう。
 結婚式場業の取扱件数は、例年、7~9月期が少なく、10~12月期がもっとも多くなっています。1件当たりの単価も、7~9月期が低く、10~12月期が高くなっています。また、10~12月期の単価は年々増加傾向にありますが、それ以外の時期の単価は若干下がっているようです。
 単価が低く取扱件数の少ない7~9月期は暑く、夏休みと重なるため「オフシーズン」となる一方、単価が高いにもかかわらず取扱件数が最も多い10~12月期は、暑さも和らぎ過ごしやすく、挙式を行うにはもってこいのまさに「オンシーズン」といえそうです。ただし、この「オンシーズン」の取扱件数も低下していることは否定できません。
(※結婚式場業は事業所調査より企業調査に変更になったため2014年までのデータを使用)

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 葬儀業では、例年1~3月期と10~12月期に葬儀取扱件数が多くなっており、年単位で見ると、「凹型」のグラフになっている事が分かります。
 気温が下がるこの時期は、インフルエンザが流行しやすくなるなど、やはり冬場にお亡くなりになる方が多いということなのでしょう(ちなみに、医療業の活動指数も10月が一つのピークです)。

 また、1件当たりの単価はほぼ横ばいで推移しており、時期的な差異はありません。葬儀のタイミングは、人の力でどうこうできるものではないので、「シーズン」のオン/オフということではないということです。

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 それぞれの単価をならしてみてみると、結婚式場業の単価は約300万円前後、葬儀業の単価は140万円台で推移しています。「一人当たりの費用」としてみると、挙式は新郎新婦の二人分、葬儀は一人分として、「節目」の費用は一人当たり150万円前後とほぼ同額が必要となるといえるかもしれません。

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 晩婚化、少子化など社会構造の影響を受けるだけでなく、ハウスウェディングや海外ウェディングなど挙式スタイルの多様化、家族葬や生前葬など葬儀スタイルも多様化していると、巷間では良く言われますが、人生の「節目」に必要な費用というのは存外、変わらないものだ、ということなのでしょう。

 

 

◎ひと言解説の一覧表

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