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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

8月の建設業活動指数は前月比マイナス0.8%低下と5か月ぶりに前月比低下。住宅、非住宅ともに民間建築指数は上昇だが、土木工事が民間、公共ともに前月比大きく低下

 平成28年8月の建設業活動指数は、前月比マイナス0.8%低下と5か月ぶりの前月比低下となっています。前年同月比は5か月連続でプラスとなり、また、前年水準よりも2%以上高い指数水準が4か月続いています。8月の季節調整済指数の値も112.6で、平成25年から平成26年までの3年間の年平均指数が109台であることからすると大分高い水準にあります。今年の4月に110.0となってから110台を下回ったことはありません。建設業活動指数は、平成25年後半に、消費税率引き上げ時の経過措置の影響で、大きく盛り上がりましたが、今年に入っての指数レベルは、その頃のレベルに近い水準にあります。

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 建設業活動指数は、大きくは民間(ウェイト:3.54)と公共(ウェイト:2.23に分けられます。
 民間建築土木活動指数(民間指数)は、指数値108.4、前月比0.4%上昇と5か月連続の前月比上昇となっています。前年同月比は、昨年の6月から15か月連続でプラスとなっており、水準も高くなっています。平成26年の民間指数は100.5、平成27年は100.6ですので、8月の民間指数108.4は高水準と言って良いかと思います。
 年度明け4月に民間指数は104.6となり、5、6月は106台、7、8月は108台と着実に指数水準が上昇してきていたのが目を引きます。

 さらに、民間活動は、「住宅」「非住宅」「土木」に分けることができます。
住宅指数は、民間活動の中では最もウェイトが大きいのですが、8月の指数値は111.3、前月比1.1%上昇と8か月連続の前月比マイナスなし(5月が横ばい)となっており、持続的に方向感は良くなっています。前年同月比も昨年の7月からプラスが続いていており、前年同月よりも8%ほど水準も高くなっています。
 この住宅指数を更に細分化した指数は存在しないのですが、マンション分譲業の動向や分譲マンションの着工状況などを踏まえると、建設業活動指数における近時の住宅指数の好調さは分譲マンション建設というよりは、戸建て住宅や貸家の建設活動によるもの思われます。

 民間の「非住宅」と「土木」は企業の投資に関係します。8月の非住宅指数は、指数値122.8、前月比2.2%上昇と5か月連続の上昇と好調さが持続しています。他方、民間・土木指数は、指数値95.1、前月比マイナス4.0%低下と2か月ぶりに前月比低下となりました。
 指数値を比較すると、住宅指数や非住宅指数は、昨年、一昨年を大きく上回っていますが、民間・土木指数は、昨年、一昨年のレベルは8月上回っているものの、基準年である2010年の水準を下回っており、民間発注の建設活動の中では、相対的に鈍い動きとなっています。

 公共事業である公共建築土木指数(公共指数)は、指数値119.2、前月比マイナス1.7%低下と2か月ぶりの前月比低下となりました。8月は、公共・土木指数が前月比マイナス1.6%低下となっており、ウェイトの大きい公共土木工事の前月比低下が、公共指数の低下に寄与していました。

 建設業活動指数の内訳をみると今月は、民間指数が引き続きプラス、公共指数が2か月ぶりにマイナスと、好対照の結果となっています。上昇方向への寄与としては、民間指数の非住宅指数、住宅指数の寄与が大きくなっています。他方、民間・土木指数も低下寄与、公共・土木指数も低下寄与となり、全体を押し下げました。

 

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 民間発注の建築活動は順調に活発化していましたが、民間・公共双方の土木工事が全体を押し下げました。年度明けの堅調な推移から、土木工事の活動に一服感が見られるようです。

 

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◎建設業結果表(全産業活動指数 結果概要ページ)

最新結果の概要|全産業活動指数|経済産業省

 

 

◎建設業活動指数データ冊子