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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

8月鉱工業指数まとめ-8月の鉱工業生産、稼働率ともに前月比上昇。稼働率指数は、3か月連続上昇。生産見込みも9、10月増産見込み。今年6月以降製造業は増産基調。

まとめページ 鉱工業指数 稼働率指数

1.生産、稼働率

 平成28年8月(確報)の鉱工業生産は、指数値で97.8、前月比1.3%上昇(7月確報96.5、前月比マイナス0.4%)でした。7月の低下幅を上回る上昇幅となり、指数値は6月の水準を上回り、今年1月の98.3に次ぐ水準となっています。

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 8月の鉱工業生産の業種別の動きをみると、全16業種のうち、11業種が生産前月比上昇となっており、特に、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業といったエレクトロニクス関連業種の上昇寄寄与が大きくなっています。
 他方、7月に生産低下となった業種では、輸送機械工業、食料品・たばこ工業の低下寄与が大きくなっています。輸送機械工業の生産は4か月ぶりの前月比低下で、普通乗用車の生産に一服感があります。また、食料品・たばこ工業の生産は、これで2か月連続前月比低下となりました。今年の3~6月は生産水準が高い状態が続いていましたが、夏場に入って少し生産停滞しているようです(昨年水準よりは高い)。

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 8月の稼働率指数は、指数値98.7、前月比2.6%上昇と3か月連続の上昇となっています。第2四半期の指数値95.4と比べても、稼働率の水準は明らかに良くなっています。

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 やはり、生産上昇業種である電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、化学工業の前月比上昇寄与が大きくなっています。ただ、8月の稼働率指数の水準は、電子部品・デバイス工業、化学工業が90台であることに対し、情報通信機械工業では、前月比17.0%上昇であるにもかかわらず指数値は73.7と、基準年の8割を下回っている状態です。生産指数も80台を割り込んでいますので、8月の情報通信機械工業の生産水準、稼働水準が高くなった訳ではありません。

 

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 機械工業の稼働率指数も前月比2.2%上昇、非機械工業の稼働率も前月比1.7%上昇でした。また、機械工業の稼働率は20か月ぶりに前年水準を上回り、非機械工業の稼働率も2か月ぶりに前年水準を上回っています。

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 8月の鉱工業生産は、2か月ぶりに前月比上昇、それも7月の低下幅を大きく上回る上昇幅でした。稼働率も、電子部品・デバイス工業、化学工業を中心に前月比上昇となっています。稼働率指数は、3か月連続の前月比上昇で、20か月ぶりに前月比同月比もプラスになりました。
 鉱工業生産や稼働率は、今年の1月に特殊的に高い水準になりましたが、今年前半は、事故等の要因もあり生産活動は停滞していました。しかし、それぞれの指数水準が回復し、1月のレベルを伺うようになってきています。

 

2.9月以降の生産見込み

 9月に実施した製造工業予測調査の結果では、9月の前月比見込みは2.2%上昇(補正なし)、10月の前月比予測1.2%上昇(補正なし)という結果になっています。
9月の見込み値に補正をかけると、前月比1.5%上昇になるものと計算されます。変動幅もプラス0.5~2.6%の間に入る確率が高くなっており、突発的に生産を押し下げるような事象も見当たらないことから、この程度の生産上昇結果を期待しても良いのではないかと思います。

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 9月見込み上昇6業種のうち、最も上昇寄与が大きいのは、はん用・生産用・業務用機械工業の前月比5.1%上昇で、それに次ぐのが輸送機械工業の前月比5.0%上昇です。それらに次ぐ寄与第3位の化学工業の寄与はそれらの半分程度に落ちるので、9月の生産見込みを押し上げているのは、この2業種と言っても良いと思います。
はん用・生産用・業務用機械工業では、生産用機械や業務用機械等の製造業、非製造業の投資向け機械類の生産増が期待されます。
輸送機械工業では、やはり乗用車が普通、小型、軽それぞれで生産増見込みとなっています。

 10月予測の前月比上昇への寄与が大きいのは、電子部品・デバイス工業、電気機械工業、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業で、機械工業は押し並べて上昇計画となっており、輸送機械工業とはん用・生産用・業務用機械工業は2か月連続の生産上昇計画となっています。

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 こうみていくと、今年6月以降の製造業の生産活動は、7月に鉱工業生産が前月比マイナス0.4%低下とはなったものの、基本的には増産基調ということになるようです。

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◎図表集