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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

8月のサービス活動(第3次産業活動)指数の基調的な動きの評価は「一進一退」で据え置き。鉱工業生産の上昇もあり対事業所サービスは堅調だが、対個人サービスが軟調な動き。

第3次産業活動指数

 平成28年8月の第3次産業活動指数は、前月比横ばいとなりました。指数値自体は、104.1と、昨年平均の103.2と比べて高い水準を維持しています。

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 平成28年8月の第3次産業活動指数の業種別の動きをみると、鉱物・金属材料卸売業など産業使用者向け卸売業が堅調で、3か月連続前月比上昇の卸売業、情報サービス業、特にソフトウェア業の前月比上昇寄与が大きく4か月ぶりに前月比上昇となった情報通信業、7月に大きく低下したマンション分譲業の反動増によって4か月ぶりに前月比上昇となった不動産業の上昇寄与が大きくなっていました。

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 サービス産業全体を対個人と対事業所に分けると、8月は、対事業所サービスも前月比マイナス0.2%低下、対個人サービスも前月比マイナス0.1%低下となりました。対事業所サービスは、3か月ぶりに前月比低下で、対個人サービスは2か月連続の前月比低下でした。

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 8月の対個人サービスの前月比低下への寄与の大きい個別系列を確認すると、プロスポーツ、ホテル、「その他の小売業」、「遊園地・テーマパーク」といった系列が並んでいます。こういった「し好的個人向けサービス」の指数は、前月比マイナス0.7%低下と2か月連続の低下であり、低下寄与も大きくなっています。

 し好的サービスは、環境変化の影響を受けやすいので、消費税率引き上げ時に大きく低下し、足元でも、それ以前の水準には戻れていません。さらに、指数は、昨年1月前後をピークに緩やかに低下しています。後方3か月移動平均で、指数の動きをみると、そのようなダウンスロープが、ほぼ1年間続いており、その後今年度に入ってからは、月々の上下動はあるものの、均すと100.6前後の低位安定の推移となっています。

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 対事業所サービスは、8月は前月比微減ではありますが、継続的に前年同月水準を上回っており、8月の前年同月比も2.5%上昇と17か月連続の上昇です。リーマンショック後のこの系列の指数としては高いレベルである103台も維持されています。

 鉱工業生産やサービス提供が活発化すると、企業の資本財や事業所向けサービスへの需要が高まるという好循環が生じているようです。

 

 形態別、性質別のサービス産業指数を見ても、「インフラ型」や「財の取引仲介型」の指数は、ともに前月比上昇であり、経済活動自体は活発であることが伺えますが、「生活関連型」サービス指数は、その内訳の「生活娯楽関連サービス」「医療,福祉」ともに前月比マイナスであり、個人向けサービスビジネスが不振となっている感じです。

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 こういった状況を踏まえ、平成28年8月の第3次産業(サービス産業)の基調判断については、「一進一退」のまま据え置きとしたいと思います。

 

 鉱工業生産において消費財の生産、出荷が、資本財に比べて不調であるのと同様に、サービスにおいても対事業所サービスの堅調さとは対照的に、対個人サービスの方向感の悪さが明瞭になってきています。

 第3次産業活動指数の8月は前月比横ばいで確かにこの3か月は前月比低下がないという状況ではありますが、月々の動きを均すために後方3か月移動平均をみると、上がっては下がるという動きであり、まだ連続して上昇するという動きとはなっていません。

 基調的なサービス活動が、もう一段上がってくるため、是非とも、企業の生産・サービス提供と需要の好循環の余波が、個人のサービスや財に対する需要増に結びついて欲しいものです。

 

 

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◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

◎図表集スライドショー 

平成28年8月のサービス産業活動 図表集

 

 

◎「第3次産業活動指数についてネットで分かること」

サービス産業について知りたいあなたへ ~第3次産業活動指数についてネットで分かること~|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎データ掲載資料