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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

学習塾と外国語会話教室の生産性(その3);労働投入を全従業員ベースに変化させると、学習塾の生産性が大きく低下。学習塾は非正規労働投入要因で生産性を変化させていた。

 この2つのエントリーでは、学習塾と外国語会話教室の正規従業員ベースの労働生産性の比較を行いました。

 

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 その結果では、学習塾の労働生産性の方が高いという結果になりました。

 またその労働生産性の変化を「売上高」「労働投入」、そして「単価」「効率性(労働投入1単位当たりの受講者数)」に要因分解すると、学習塾では「効率(量)志向」、外国語会話教室では「価値(質)志向」で生産性を変化させていることが分かりました。

 
 ここで改めて、学習塾と外国語会話教室の従業員の構成の違いを確認してみます。

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 学習塾の従業者に占める正社員とその他の従業者(パート、アルバイト等)の構成比では、元来、その他の従業員の構成比が高く、2005年からの10年間でその状況に大きな変化はありません。一方、外国語会話教室ではその他の従業員の構成比が大幅に増加しています。
 また、専任講師と非常勤講師の構成比をみると、やはり学習塾では、元来非常勤講師の構成比が高く、その構成比にあまり変化は見られません。他方、外国語会話教室では、2005年では専任講師が過半を超えていたのですが、2005年からの10年間で、非常勤講師の構成比が大幅に増加し、過半を占めるようになっています。

 つまり、学習塾においては、従業員、講師の属性構成に大きな変化はありませんでしたが、元来非正規従業員の割合が高くなっています。とすると、その労働生産性を正規従業員ベースで計測するのみでは、実態を見誤ることにつながります。

 

 そこで、労働時間の違いを考慮するべく、労働生産性の分母となる労働投入量を、(正規従業者数×一般労働者労働時間+非正規従業者×パートタイム労働者労働時間)と設定して、学習塾と外国語会話教室の労働生産性を計測することとします(全従業者ベース)。

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 その結果をみると、元来、パート、アルバイトや非常勤講師への依存が高い学習塾の労働生産性のレベルが大きく低下しました。

 正規従業員ベースでは,学習塾の生産性が外国語会話教室を大きく上回っていましたが、全従業者ベースでは、学習塾と外国語会話教室の労働生産性には差がなくなり、近時では、むしろ外国語会話教室の労働生産性の方が高くなっています。

 

 学習塾の四半期単位の労働生産性の前年同期比の要因分解を、全従業員ベースで再計算してみます。売上高要因と正規/非正規別の労働投入要因の寄与をみると、学習塾の労働生産性を大きく動かしていたのは、非正規労働投入要因であることが分かりました。

 

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 特に、2005年から2008年にかけて労働生産性が低下していますが、その主因は非正規労働投入が増加したことによるものでした。

 2012年以降は、非正規労働投入が減少し、生産性を押し上げる方向に作用する四半期も出てくるようになりました。2015年では、売上高要因も生産性にプラス寄与ですが、非正規労働投入要因が生産性を引き上げています。

 

 全従業員ベースの学習塾の生産性変化を単価要因と効率性要因に要因分解すると、正規従業員ベースに比べて、効率性要因の悪化による生産性の低下が、1年早く始まっていることが分かります。つまり、正規従業員を増加させる1年ほど前から、非正規従業者の労働投入を増加させ、その結果生産性が悪化していることになります。逆に、2012年からは、非正規労働投入を削減してきていることから、効率性要因が生産性にプラス寄与するようになっています。

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 学習塾の労働生産性を全従業者ベースでみると、非正規労働の投入量の変化が生産性を変動させており、売上高や単価といった要因の寄与は相対的に大きくないということが分かります。その意味では、全従業者ベースの労働生産性を確認しても、学習塾においては「効率(量)志向」が見られるという基本的性質に差異はありませんでした。

 労働集約的なサービスビジネスにおいては、生産要素における人的リソースの影響が大きく、生産性を計測する場合、労働投入をどう定義するかによって、その結果に大きな違いがでる可能性があることが、従業者に占める非正規労働の構成比が高い学習塾の生産性計測からも明らかとなりました。

 

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◎比較対象となる外国語会話教室についての分析 

 

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◎ミニ経済分析のページ

学習塾と外国語会話教室の生産性;サービスビジネスの生産性を研究するための試み|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎スライドショー 

  

 

◎ミニ経済分析の一覧表

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