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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

今年の中では生産指数の水準も高く、在庫調整も進展、先行き生産計画が意欲的となっていることを踏まえ、8月の鉱工業生産の基調判断は「緩やかな持ち直しの動き」に上方修正

 平成28年8月の鉱工業については、生産は2か月ぶりに前月比1.5%上昇となりました。前年同月比も5か月ぶりにプラス4.6%上昇となりました。

 

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 出荷は、3か月ぶりに前月比マイナス1.3%低下となったため、在庫指数が前月比0.1%上昇と3か月ぶりの上昇となりました。とはいえ、在庫指数の前年同月比はマイナス1.8%低下と2か月連続で前年水準を下回っていますので、在庫率指数が、前月比マイナス3.5%低下となっていることと合わせて見ると、在庫の前月比上昇はそれ程深刻な事態ではないと思います。

 

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 7、8月平均の生産と8月末値を前年水準と比較した在庫循環図では、在庫調整局面を通り越し、「(意図せざる)在庫減局面」に入っています。第3四半期のデータが揃った暁に、ここまで在庫循環が進んでいるとは思えませんが、着実に在庫調整も進捗しているとは言えるでしょう。

 

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 8月の生産を業種別にみれば、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業や、はん用・生産用・業務用機械工業でも半導体製造装置の生産が好調で、エレクトロニクス関連が8月の生産のけん引役でした。また、電子部品・デバイス工業や情報通信機械工業の先行き生産計画は、さすがに9月はともに前月比低下見込みですが、10月は共に前月比上昇ということなので、それなりに先行きに期待が持てそうです。

 8月の鉱工業生産で低下方向への寄与が大きかったのは、輸送機械工業で、やはり乗用車の生産に一服感が出ました。ただ、輸送機械工業全体でも、普通乗用車、小型乗用車でも生産の前年同月比はプラス(軽乗用車はマイナス)なので、生産水準がそれ程低いということではないようです。

 

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 製造工業全体の9月の生産見込みは前月比2.2%上昇となっており、前回調査分の計画値から上方修正されています。また、報告された回答から傾向的なバイアスを除去した補正値でも、前月比1.5%上昇程度になるものと計算されます。10月の生産予測は補正なしで前月比1.2%上昇となっています。

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 9月の生産見込み上昇寄与業種は、はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業といった業種でした。はん用・生産用・業務用機械工業では、製造業、非製造業向けの設備類、輸送機械工業では乗用車の生産回復が寄与しています。

 10月の生産上昇には、電子部品・デバイス工業、電気機械工業、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業といった業種が寄与しており、機械工業は押し並べて生産上昇計画となりました。

 9月、10月の生産計画は、2か月連続で前年同月実績を上回っており、また9月の生産計画が7月分に続いて上方修正となっていることも含めて、確かに製造業企業は増産意欲を持っているようです。

 

 このように、在庫調整が確実に進展していること、先行きの製造業企業の生産意欲も堅調で、指数水準も今年1月に次ぐ2番目に高いものとなったことを踏まえ、8月の鉱工業生産の基調判断は、「緩やかな持ち直しの動き」とし、7月からは上方修正したいと思います。

 

 

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www.meti.go.jp

 

 

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