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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

9月、10月の生産先行き見込みは、2か月連続で上昇。9月の生産見込みは、前回調査から上方修正されており、企業の生産計画は、意欲的。

鉱工業指数 製造工業予測指数

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 今年9月実施の予測調査の結果ですが、9月生産見込みの前月比は2.2%上昇が見込まれています。傾向的な予測誤差分を除外する加工をした伸び率を試算した結果では、最も可能性の高い9月の前月比は1.5%上昇という計算結果となっています。

 また、9月生産計画は、前回調査から若干上方修正となっています。7月調査の折りにも7月生産計画が上方修正されており、2回目の生産計画上方修正であり、企業の生産意欲が強くなっている面があると言えるでしょう。

 10月予測についても、前月比1.2%上昇という生産計画となっています。9月の生産実績が補正値のように、前月比プラスではありつつも、その上昇幅がある程度低下することを考慮すると、9月、10月と生産は前月比上昇する可能性が高いと言えると思います。

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 9月上昇6業種のうち、最も上昇寄与が大きいのは、はん用・生産用・業務用機械工業の前月比5.1%上昇で、それに次ぐのが輸送機械工業の前月比5.0%上昇です。それらに次ぐ寄与第3位の化学工業の寄与はそれらの半分程度に落ちるので、9月の生産見込みを押し上げているのは、この2業種と言っても良いと思います。

 はん用・生産用・業務用機械工業では、生産用機械や業務用機械等の製造業、非製造業の投資向け機械類の生産増が期待されます。

 輸送機械工業では、やはり乗用車が普通、小型、軽それぞれで生産増見込みとなっています。

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 8月生産への上昇寄与の大きかった電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業では9月は減産計画です。ただ、電子部品・デバイス工業については、8月の生産実績が見込み値よりも5%以上多くなっており、そのために9月低下見込みとはなりますが、9月の計画値自体は、上方修正されていますので、9月の前月比低下もそれ程悪いということではないと思います(情報通信機械工業は、やはり反動減的側面あり)。

 

 10月予測の前月比上昇への寄与が大きいのは、電子部品・デバイス工業、電気機械工業、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業で、機械工業は押し並べて上昇計画となっており、輸送機械工業とはん用・生産用・業務用機械工業は2か月連続の生産上昇計画となっています。

 電子部品・デバイス工業では、やはり半導体や液晶についての受注が入っているようです。電気機械工業では民生用機械も設備系も生産が増えるようです。輸送機械工業では、乗用車の生産が、はん用・生産用・業務用機械工業では、製造業向け生産用機械の大幅増産が見込まれています。

 

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 需要先の用途別分類でみると、9月の生産見込みでは、事業の部材や原料となる生産財ではなくて、最終需要財、特に輸送機械を除く資本財と耐久消費財の上昇寄与が大きくなっています。これらの財は、10月の生産計画の上昇にも寄与しています。ここ数ヶ月比較的好調な出荷となっていた資本財の出荷が、8月実績で前月比低下となりましたが、8月の資本財生産は前月比1.3%上昇と2か月ぶりのプラス、輸送機械を除く資本財では前月比1.4%上昇と3か月ぶりのプラスとなっています。設備投資向けの財の生産については、先行き強めの見通しとなっていると言えるでしょう。

 

 9月は、生産計画が強気な割には、そのための原材料となる生産財の生産見込みが前月比0.2%上昇と弱めとなっています。

 生産財の内、4分の1程度は輸出されます。その内のかなりの部分は、中国向け、さらに中国の日系現地法人に出荷されます。

 その中国に立地する日系現地法人の今年第2四半期の活動状況と先行き見通しをみると、電気機械工業やはん用・生産用・業務用機械工業の日系現地法人の売上げは2年近くにわたって前年同期比マイナスとなっており、中国の現地法人の先行き見通しについても全体的に悪化傾向となっています。

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 生産財生産が他の財に比べて多少不調な背景には、やはり海外、あるいは中国における製造業の勢いの鈍化があるものと思われます。

 

 他方、先ほども説明したように、輸送機械を除く資本財については、8月の出荷は前月比マイナスですが、8月の生産実績は前月比1.4%上昇で、9月、10月も生産を増やす計画となっています。

 この財分類の国内向け出荷は、7月まで5か月連続の前月比上昇となっています。投資向けサービス指数も7月まで2か月連続上昇で、前年水準と比べても高い状態が続いています。海外現地法人の設備投資額と国内設備投資額の動きを見ると、海外投資額は減少傾向にあり、国内投資額の水準が高くなっていました。

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 資本財生産の予測指数の動きと、資本財出荷や投資向けサービス活動の状況を見ると、国内における企業の投資意欲には、まだ先々、期待が持てるのかもしれません。

 

 また、全体の生産3か月移動平均を、8月までの実績と9、10月の予測値で作成すると、やはり7、8、9月と安定的に生産が上向いていることが確認できます。

 

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