経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

8月の鉱工業出荷は、前月比マイナス1.3%の低下で、在庫も2か月ぶりに小幅上昇となったが、在庫循環図では、この7月、8月で在庫調整は大きく進展。

 8月の「出荷」は、季節調整済指数94.6、前月比マイナス1.3%低下と、生産とは異なり3か月ぶりの前月比低下となりました。7月の生産が前月比低下である一方、出荷は2か月連続の前月比上昇でしたので、7月の出荷は勢いが「あり過ぎた」のかも知れません。その反動が多少出ているようです。

 

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 8月出荷は確かに低下ではありますが、7、8月の平均値は95.2で、第2四半期の出荷指数94.9を上回っています。また、8月出荷の前年同月比も昨年11月以来9か月ぶりにプラスとなっています。確かに、8月出荷は前月比マイナスですが、水準感はそれ程悪くないと思います。

 

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 8月の出荷を需要先用途別分類である財別分類でみると、事業の中間投入となる生産財の出荷は前月比0.2%上昇でした。特に、鉱工業用生産財の出荷が伸びており、国内の鉱工業生産の増加とともに出荷も増加ということになります。

 最終需要財では、企業が需要する投資財出荷が前月比マイナス1.1%低下、消費財出荷が前月比マイナス3.9%低下となりました。

 投資財のうち、建設財は、建設業活動指数はここの所好調で7月までで4か月連続前月比上昇なので、建設財出荷も前月比0.1%上昇でした。他方、企業の設備需要向けに出荷される資本財は前月比マイナス1.2%低下となりました。資本財出荷のうち、輸送機械を除く資本財の国内向け出荷は、7月まで5か月連続の前月比上昇でしたが、8月の輸送機械を除く資本財の出荷全体も前月比マイナス1.9%低下と3か月ぶりに前月比低下となりました。

 

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 消費財では、耐久消費財出荷が、前月比マイナス6.6%低下と3か月ぶりに大きく低下し、7月の上昇分だけ低下しています(指数値は6月と同じ79.7)。非耐久消費財の出荷も、前月比マイナス2.3%低下と3か月ぶりの低下となり、指数値95.8は、今年の最低値となりました。

 8月の出荷を引き下げたのは、消費財で、特に普通、小型の乗用車の出荷が低下した耐久消費財の低下が響いています。また、国内向けを中心にここの所、出荷に勢いのあった資本財についても、多少一服という感じです。

 

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 8月は生産上昇、出荷低下のため、在庫は前月比0.1%の微増となりました。しかし、在庫指数の前年同月比は2か月連続のマイナスとなっており、在庫水準は低下しつつあります。確かに、8月は輸送機械工業やはん用・生産用・業務用機械工業で在庫の上昇が見られましたが、素材系と電子部品・デバイス工業の在庫は低下しており、在庫が一斉に上昇するということではないようです。

 

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 在庫循環図をみても、昨年と今年の7、8月平均の生産と8月末値の在庫同士で仮作成した平成28年第3四半期の値では、在庫調整局面を脱し、意図せざる在庫減局面に移行しています。最終的に今年第3四半期の在庫循環がそこまで進むとは思えませんが、この第3四半期中も着実に在庫調整は進んでいるとは言えるでしょう。

 

 

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