経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成28年7月の第3次産業活動指数の基調判断については「一進一退」で据え置き。対事業所サービスの堅調さと、対個人サービスの軟調な動きが対照的な結果となっている。

 平成28年7月の第3次産業活動指数は、前月比0.3%上昇と、2か月連続の前月比上昇となりました。指数値自体も、104.2と、昨年平均の103.2と比べて高い水準を維持しています。

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 平成28年7月の第3次産業活動指数の業種別の動きをみると、6月の英国EU離脱騒動が落ち着き、経済対策の期待などから株式取引が上昇した「金融業,保険業」、飲食料品等の日常的な買い物が回復した小売業、建設関係の盛り上がりもあって引き続き堅調な事業者向け関連サービスの上昇寄与が大きくなっていました。

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 サービス産業全体を対個人と対事業所に分けると、7月は、対事業所サービスも前月比0.8%上昇、対個人サービスも前月比0.1%上昇と、ともに2か月連続の前月比上昇でした。第3次産業活動指数全体への寄与では、対事業所サービスの上昇寄与が圧倒的に大きく、7月は対事業所サービスによって、サービス産業全体がけん引されていたことになります。

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 投資向けサービスが2か月連続上昇となっているほか、建設関連産業指数が3か月ぶりに前月比上昇、さらに非製造業依存型事業所向けサービス、つまりサービス産業の企業が需要する事業所向けサービスも2か月連続前月比上昇となるなど、企業の投資的需要、あるいはサービス産業の「サービス需要」が堅調に推移しています。いわば、企業のサービス需要が、サービス産業を活発化させ、それが更に企業のサービス需要を生み出すという好循環が生じているように見えます。

 

 一方、対個人サービスにおいては、生活必需的サービスである「非選択的個人向けサービス」は2か月連続で上昇してはいますが、それ以外の選択性の強い「し好的個人向けサービス」は今年に入っての水準が芳しくない上に、6月前月比上昇から7月は前月比低下に戻ってしまい、活動レベルの上昇に持続力がありません。前年水準を下回る月も多く、7月は前年水準プラスとは言え、曜日要因を考慮すると昨年からのプラス幅は物足りません。

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 小売業、「飲食店,飲食サービス業」、観光関連産業など、部分的に7月が良い結果となっている系列もあるのですが、横の広がりと時間的な持続性が見られません。

 

 形態別、性質別のサービス産業指数を見ても、「インフラ型」や「財の取引仲介型」の指数は、7月ともに前月比上昇であり、経済活動自体は活発であることが伺えますが、「生活関連型」サービス指数は、その内訳の「生活関連娯楽サービス」「医療,福祉」ともに前月比マイナスであり、人によって個人にサービスを提供するタイプの個人向けサービスビジネスが不振となっている感じです。

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 こういった状況を踏まえ、平成28年7月の第3次産業(サービス産業)の基調判断については、「一進一退」のまま据え置きとしたいと思います。

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 7月に鉱工業指数では、出荷増によって在庫調整を進展させました。国内の設備投資向けとなる「輸送機械工業を除く資本財の国内向け出荷」は引き続き堅調、耐久消費財の出荷もプラスで、機械器具小売業や自動車小売業の指数も前月比プラスでした。サービス産業においても、事業者向けサービスは堅調な推移で、第3次産業活動指数は2か月連続の前月比プラスです。

 ただ、一部に動きは見えるものの、引き続き個人のサービス需要の振るわなさが払拭されていないというのも事実であり、この重石が解消されることを強く期待したいところです。

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平成28年7月のサービス産業活動 図表集

 

 

◎「第3次産業活動指数についてネットで分かること」

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