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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成28年7月速報では生産指数は前月比横ばいだが、在庫の低下や先行きの動きも踏まえ、鉱工業生産の基調判断については、「一進一退だが、一部に持ち直し」と据え置き。

鉱工業指数 製造工業予測指数

 平成28年7月の鉱工業については、生産は前月比横ばいで2か月連続マイナスなし、出荷は2か月連続の前月比上昇ということになりました。この結果、7月の在庫は、前月比マイナス2.4%低下、そして前年同月比もマイナス1.8%低下(2月以来、5か月ぶり)となり、大きく在庫水準を下げています。

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 在庫循環図をみても、生産が丸2年前年水準を下回る状態が続いているにもかかわらず、丸2年以上在庫水準が前年水準を上回る状態が続いていましたが、7月単月ではこの状態が解消されました。
7月の在庫調整の進展具合に鑑みれば、7月の生産横ばいについても、6月の比較的大きな前月比上昇にもかかわらず、「マイナスとならなかった」という評価が適当と思われます。

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 7月の動きを業種別にみれば、輸送機械工業や電子部品・デバイス工業の生産がけん引役で、化学工業や金属製品工業が反動的な低下となりました。また、需要先別の動きとしては、企業の設備投資向けの財出荷が堅調であると同時に、家計の耐久消費財の推移においても回復への最初の一歩という動きを見せた、7月でした。

 

 先行き見込みについては、8月の生産見込みは前月比4.1%上昇と大きめの上昇幅となっていますが、これは7月実績の計画からの下方修正によるもので、計画値自体は7月の前回調査からは多少低下しています。また、報告された回答から傾向的なバイアスを除去した補正値では、前月比0.1%上昇程度になるものと計算されます。9月の生産予測は補正なしで前月比マイナス0.7%低下となっています。

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 8月の生産上昇は、はん用・生産用・業務用機械工業、情報通信機械工業といった、実績段階で下方修正されることの多い業種の上昇寄与が大きくなっているので、実績の伸び幅は、補正値計算からも分かるように、大きく低下するものと思います。
 9月の生産低下は、この8月に上昇するはん用・生産用・業務用機械工業や情報通信機械工業の低下によるものです。これらの業種は、8月の生産実績が計画から下方修正されるので、9月の落ち込み幅もそこそこの所に落ち着くと思います。他方、9月の生産計画に対して上昇寄与となっているのは、輸送機械工業、化学工業、電気機械工業で、この所堅調な推移となっている業種であり、これらの業種が9月の生産を下支えするものと思われます。
 となると、8月の実績段階で、前月比マイナスにならない程度の下方修正があれば、9月も前月比上昇に転じるという可能性も否定されないという結果となっています。

 

 これらの状況を踏まえ、7月の鉱工業生産の基調判断について「一進一退だが、一部に持ち直し」を据え置きたいと思います。
 在庫調整が確実に進展している下での生産の前月比横ばいと、先行きの生産計画が安定した上昇を示唆するものとなっていることを踏まえたものです。

 

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◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

 

◎データ冊子

 

 

◎鉱工業図表集スライドショー

 

◎鉱工業指数 しくみと見方-入門スライド