経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成28年の8月、9月の先行きでは、場合によっては2か月連続で生産が上昇する可能性も示唆する調査結果となっている。

 今年8月実施の予測調査の結果ですが、8月生産見込みの前月比は4.1%上昇が見込まれています。傾向的な予測誤差分を除外する加工をした伸び率を試算した結果では、最も可能性の高い8月の前月比は0.1%上昇という計算結果となっています。また、8月見込み値については、前回調査から若干下方修正となっています。9月予測について、前月比マイナス0.7%低下という、生産計画となっています。ただ、8月の生産が補正値程度の値になれば、9月計画は前月比プラスに変わるものと思われます。

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 8月見込みを最も上昇させているのは、はん用・生産用・業務用機械工業の前月比7.9%上昇、それに次ぐのが情報通信機械工業の前月比28.4%上昇です。この2業種は、計画値から実績値への下振れが大きい業種なので、これらの結果は8月実績段階で下方修正されると思われます(それゆえ、補正値の伸び率が大きく低下する)。

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 寄与3番目が電子部品・デバイス工業の前月比8.2%です。7月生産では、メモリやスマホ等のカメラ部分の部品であるCCDなどの半導体集積回路の生産が好調でしたが、8月は液晶素子(パネル)の生産増が見込まれているようです。

 9月予測は前月比低下ですが、8月の生産計画を引き上げていたはん用・生産用・業務用機械工業と情報通信機械工業がその生産を低下させるということのようです。

 

 8月の実績が補正値レベルに下がるとすると、9月は前月比上昇となる可能性が高いので、9月予測を引き上げているのは、輸送機械工業、化学工業、電気機械工業となります。輸送機械工業では、やはり乗用車生産が堅調で、電気機械工業では電気設備類や一部の照明器具の生産が上昇することになっています。化学工業でも工場トラブル等が解消され、生産を増やすという計画になっています。

 化学工業、電気機械工業は8、9月と2か月連続上昇計画ですし、輸送機械工業の8月生産は前月比低下見込みですが、その計画水準は前年水準を超えていることから、それ程の低下ということでもないようです。よって、この3業種は8月の予測調査の結果を見る限り、8、9月の生産は堅調なようです。

 

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 いずれにせよ、8月の生産上昇をけん引しているのが実績下方修正の多いはん用・生産用・業務用機械工業や情報通信機械工業であることから、8月の生産実績の伸び率は大幅に下方修正されるものと思います。

 逆に、9月の生産計画においては、生産堅調な3業種が生産を上昇させる見込みであり、8月の下方修正があれば、9月も前月比上昇に転じるという可能性も否定されないという結果となっています。

 

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