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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

業種別生産では、7月まで輸送機械工業は3か月連続上昇、電子部品・デバイス工業、電気機械工業が2か月連続上昇。需要先別の7月の出荷では、企業向けの資本財出荷、家計向けの耐久消費財の出荷が回復方向の動きを見せていた。

鉱工業指数

 7月の鉱工業生産を業種別にみると、速報時15業種のうち、前月比上昇業種が6業種、低下業種が9業種となっています。

 6月は石油・石炭製品工業と情報通信機械工業以外の業種の生産は、前月比上昇でしたので、7月の上昇業種は、2か月連続上昇業種で、特に輸送機械工業は3か月連続の上昇業種です。

  同時に、大部分の低下業種は2か月ぶりの低下ということになりますが、6月にも低下していた石油・石炭製品工業と情報通信工業は2か月連続の低下となります(両業種とも、5月の上昇を挟んで、3、4月と2か月連続低下)。

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 上昇業種のうち、特に、7月の生産を上昇させる方向に作用したのは輸送機械工業でした(上昇寄与の4割)。6月に引き続き、普通乗用車の生産が前月比2.7%上昇とけん引役となっているほか、小型乗用車の生産も前月比3.2%上昇、軽乗用車の生産も前月比23.4%上昇と大きく上昇していました。

 ただ、大型バスやトラック、二輪自動車、産業車両、鋼船といった乗用車以外の輸送機械の生産は振るわず、輸送機械工業全体の生産では、前月比1.2%でした。

 

 影響度は輸送機械工業の半分ほどになりますが、電子部品・デバイス工業も鉱工業生産を上昇させる方向に作用しました。6月に引き続き、メモリやCCDといった集積回路の生産が好調でした。昨年のように、中小型の液晶素子と集積回路が相まって生産を押し上げるという様相にはなっていませんが、メモリやCCDといった集積回路は生産上昇が2か月続いており、特にCCDは、前年同月比が3割近い上昇になっており力強い生産になっています。

 他方、液晶素子は減産基調で、大型の液晶パネルは在庫が高止まり(在庫の前年同月比は92.9%増ということで、在庫水準が倍増)、スマホタブレット向けの中小型の液晶パネルの出荷は前月比マイナス22.0%低下、前年同月比マイナス38.5%低下と出荷が振るいません。

 

 また、一般用タービン発電機、エアコンなどの生産が好調で、電気機械工業が、3番目の上昇寄与業種となっています。

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 7月の低下業種については、化粧品類のうち、クレンジングクリームや洗顔クリームの生産が低下した化学工業(化粧品類全般が低下している訳ではなく、化粧水やファンデーションは生産上昇品目で非耐久消費財生産のけん引役)、橋りょう等の低下による金属製品工業、数値制御ロボットやプレス用金型が低下となったはん用・生産用・業務用機械工業などが低下寄与の大きい業種でした。

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 平成28年7月の鉱工業出荷では、速報15業種のうち、生産上昇6業種に化学工業とはん用・生産用・業務用機械工業を合わせた8業種が出荷上昇業種となっており、残り7業種が出荷低下業種ということになります。

 需要先用途別分類である財別分類の出荷指数をみると、建設財を除く、各財とも出荷が前月比上昇でした。上昇への影響度合いが特に大きかったのは、耐久消費財で、前月比7.0%上昇と2か月連続の上昇となっています。普通乗用車、そして軽乗用車の出荷が前月比10%以上の上昇となっていたことが主要因です。自動車小売業の販売額指数も3か月ぶりの前月比1.3%上昇となっていました。

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 次いで影響度合いが大きかったのは、工場等の原材料、部品として利用される生産財で、出荷指数は前月比0.6%と2か月連続の上昇です。生産財の生産は前月比低下ですので、この分、大きく在庫を低下させています(在庫の前月比マイナス1.4%低下)。

 比較的堅調な推移となっている輸送機械を除く資本財の出荷も前月比0.8%と2か月連続上昇で、指数水準111.8となりました。今年の第1四半期の輸送機械を除く資本財の出荷指数が107.1、第2四半期が110.7ですので、今年の上期の水準から比べて、7月の水準は十分高い水準となっています。
 この輸送機械を除く資本財の出荷指数のレベルは今年の1月以来のもので、半年ぶりの高レベルということになります。昨年の7月の113.6から今年の2月に103.2までと1割低下しましたが、そこから順調に回復しているという推移になっています。

 

 同様に、7月の耐久消費財の出荷指数85.3も、昨年10月の85.6に次ぐ高いレベルの指数となっています。7月は、乗用車関係のほか、エアコンや冷蔵庫といった季節商品の出荷も伸びており、指数レベルも高くなりました。

 消費増税前は90を超えていた指数が、平成26年第3四半期以降はほぼ毎月85を下回る水準で推移してきましたが、2か月連続の出荷上昇があったおかげでやっと、この水準を上回ってきました。ちなみに、家電製品が中心となる機械器具小売業の販売額指数も7月は2.7%上昇となっています。家電量販店の販売額も生活家電や通信家電を中心に増加しています。

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 供給側の業種的動きとしては、輸送機械工業や電子部品・デバイス工業の生産が、そして需要先の動向としては、企業の設備投資向けの財出荷が堅調であると同時に、家計の耐久消費財の推移においても回復への最初の一歩という動きを見せた、7月でした。

 

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