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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

7月の生産は、6月の大きい伸びにもかかわらず「低下せず」、前月比横ばい。出荷は2か月連続の低下で、在庫も前年水準を下回り、在庫調整も進展。

鉱工業指数

 平成28年7月の「生産」は、季節調整済指数96.9、前月比横ばいとなりました。
 本年2月の大きな前月比低下から、3、4月に2か月連続前月比上昇となりましたが、5月に再び大きめの前月比低下を見せました。そこから、6、7月と前月比マイナスのない月が続きました。

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 指数値96.9という6、7月の水準についても、平成27年平均の指数が97.8、平成27年度が97.4なので、昨年の平均的水準からみると、まだ低い状態です(前年同月比もマイナス3.8%低下)。ただ、今年の第1四半期の指数値が96.1、第2四半期が96.3で、上半期平均の指数値も96.2となるので、この7月の生産指数の水準は、今年に入ってのレベルからすると多少高めとなっています。やはり、多少上向き加減の面があるとは言えるでしょう。

 同じく7月の「出荷」は、季節調整済指数96.0、前月比0.9%上昇と2か月連続の上昇となりました。出荷においても今年の2月に大きく落ち込み、その後2か月前月比上昇が続き、5月に大きく低下し、6、7月と前月比上昇が続くという、生産指数と同じような動きとなっています。

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 7月の出荷指数96.0は、4月の指数値と同じで、5月の落ち込み分を6月、7月の回復で取り戻した形になります。今年の第1四半期の出荷指数が94.7、第2四半期の出荷指数が94.9ですので、それらからすると7月の出荷指数のレベルは多少高い水準となっています。

 さらに、7月の「在庫」は、季節調整済指数111.2、前月比マイナス2.4%低下と比較的大きめの低下幅となっています。前年同月比もマイナス1.8%低下と昨年7月末の在庫水準を5か月ぶりに下回りました。在庫が前年水準を下回った2月は生産が大きく低下した月でしたので、在庫が低下するのは生産減少分によるところが大きかった訳ですが、7月は生産横ばいで出荷が伸びたことにより、在庫が低下しており、2月とは異なる状況です。

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 改めて、ここ2年ほどの在庫循環の状況をみると、生産は、平成26年第3四半期以降、四半期ベースで前年同期比マイナスが8四半期連続、つまり2年間、前年水準を下回っている状態です(消費増税直後ではなくて、その1四半期後から2年間)。一方、ほぼ同じ期間、在庫の前年同期末比のプラスが続いていました。
 そして、やっとこの7月のデータで、生産、在庫ともに前年同月比でマイナスとなりました(ただし、7月の在庫原指数がもう一段低下しないと、第3四半期末の在庫指数は再び前年同期末比プラスなってしまう状況)。今年の第2四半期には、在庫調整が進捗したという評価でしたが、この7月には更に在庫調整が進捗しています。

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 7月の生産、前月比横ばいの元でも、出荷が伸びたことにより、在庫水準が低下しており、在庫調整と生産横ばいが併存していたことになります。つまり、7月の横ばいは「伸びていない」というよりも、6月鉱工業生産の前月比2.3%上昇という大きめの上昇の翌月としては「落ちなかった」という評価ができるものと思います。

 

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◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

 

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