読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

年末年始に盛り上がる酒類出荷と外飲み派、長期的には両方とも下がり気味となっている ;お酒をたしなむなら「外飲み」派、「家飲み」派?(その1)

ミニ経済分析 個人サービス 個人消費 第3次産業活動指数 鉱工業指数

 最近では、「会社仲間と飲み屋で一杯」というのは流行らなくなっていると、よく言われます。他方で、野外でのバーベキュー、ホームパティーなど、必ずしも飲食店を利用しないで、お酒を楽しむ機会も日常的なものとなっているようにも思えます。

 そこで、今回は、酒類関連産業の統計データを確認し、その動向から飲食に関連する消費行動の変化を読み取ることができないかと検証してみました。

 

f:id:keizaikaisekiroom:20160825132819p:plain

 

 まずは、酒類生産量の推移を見てみます。

四半期ごとの生産量(生産指数)は、平成26年の消費増税前後の攪乱(増税前の盛り上がりと増税後の下落)を除くと、平成19年をピークにはっきりと低下傾向にあることが分かります。

 缶やペットボトルのコーヒー・お茶といった清涼飲料の生産指数が、緩やかに上昇し、今年第2四半期に急上昇していること比べると、酒類の国内生産は対照的な動きとなっています。

 

f:id:keizaikaisekiroom:20160825132902p:plain

 

 また、酒類の生産・出荷を毎月の変動から、その季節指数のパターンを確認しています。

 酒類生産は、年度前半の4月から9月は高く、年度の後半に、その生産水準が低くなると言うパターンを繰り返しています。酒類出荷は、12月が圧倒的ピークで、6月、7月も年平均より高くなっています。酒類は、年度前半に生産して、年末に大きく出荷という季節パターンが、繰り返されています。

 

 このような酒類の生産・出荷の動きの背景には、何があるのでしょうか。

 出荷の動きからは、年末需要と夏場の需要が平均レベルよりも高い、逆に言えば、それ以外の時期は需要が低下するということが読み取れますし、長期的には生産が低下し、需要が低下している訳です。

 この酒類需要のうち「外飲み」派について、酒類中心の外食形態である「パブレストラン,居酒屋」業態の活動指数で代表させて、その推移を確認してみます。

 

f:id:keizaikaisekiroom:20160825133011p:plain

 

 第3次産業活動指数では、業種分類として「飲食店、飲食サービス」という系列を作成しており、その内訳系列として「パブレトラン,居酒屋」の活動指数を公表しています。飲食サービス全体の指数の推移に比べて、この「パブレストラン,居酒屋」指数の推移では、落ち込み方が激しくなっています。

 酒類生産の1割強の低下(平成19年のピーク比)に対し、「パブレストラン,居酒屋」の指数は平成20年と比べて2割以上低下していました。

 

f:id:keizaikaisekiroom:20160825133051p:plain

 

 この「パブレストラン,居酒屋」指数の季節パターンを見ると、

・12月の水準が際立って高い

・平均よりも高くなる月が1月と3月しかない

という特徴をあげることができます。つまり、「外飲み」は、1、3、12月の3か月に集中しているということです。

 酒類出荷が12月に急上昇する背景には、「パブレストラン,居酒屋」業態のこの年末年始と年度末に盛り上がるという季節パターンがあると考えられます。

 

 酒類生産と「パブレストラン,居酒屋」業態の長期低落の一致、そして季節変動のパターンが似ていることから推察して、酒類生産の変化の背景には、「外飲み」派の影響が色濃く出ていることは確かかと思います。

 

f:id:keizaikaisekiroom:20160825133137p:plain

 

 家計の「外食」=「飲食店、飲食サービス」の指数と「内食」=「飲食料品小売業」の指数(ともに第3次産業活動指数)の加重平均に占める割合を比較すると、いわゆるリーマンショック後に「外食」の割合が低下していましたが、消費増税後は上下動を伴いながら、「外食」「内食」が半々となっています。

 家計の飲食需要を満たす産業活動における「外から内へ」のシフトが収まっている中でも、「外飲み」は低下しているということになります。

 そこで、次のエントリーでは、「家飲み」派についても、関連データを確認していこうと思います。

 

 

 

f:id:keizaikaisekiroom:20160825132553p:plain

 

 

 

関連エントリー  

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

 

 

 

◎ミニ経済分析のページ

お酒をたしなむなら「外飲み」派、「家飲み」派?;酒類関連産業の動向と飲食消費行動の変化|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎スライドショー 

  

 

◎ミニ経済分析の一覧表

 f:id:keizaikaisekiroom:20160212181140p:plain