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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

6月の鉱工業指数まとめ-出荷の前月比上昇幅が今一歩で、在庫率は低下せず。ただ、在庫水準は下がっており、第2四半期に在庫調整は進展。

鉱工業出荷内訳表 鉱工業指数

1.出荷(輸出向け、国内向け)
 平成28年6月(確報)の鉱工業出荷は、指数値で95.1、前月比1.7%上昇(5月確報93.5、前月比マイナス2.6%)、前年同月比マイナス1.7%低下でした。この結果、平成28年第2四半期の鉱工業出荷は指数値94.9、前期比0.2%上昇と2期ぶりの前期比上昇となりました。

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 6月の国内向け出荷は前月比1.4%上昇、輸出向け出荷も前月比3.6%上昇と、ともに2か月ぶりの上昇です。国内/輸出向け出荷のウェイト(構成比)を加味して、どちらが出荷全体の上昇に影響(寄与)したかを計算すれば、やはり国内向け出荷の上昇によって、6月の鉱工業出荷は前月比上昇となりました。

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 とはいえ、輸出向け出荷の前月比上昇幅は、今年1月の大きな5%を超える上昇幅に次ぐ大きさでした。しかし、5月の前月比低下幅が大きく、第2四半期としては前期比マイナスとなりました。

 第2四半期の国内向け出荷は、2期ぶりに前期比0.5%上昇でした。今年の第1四半期は、国内向け出荷の大幅低下で出荷全体が押し下げられましたが、第2四半期は、国内向け出荷が出荷全体を引っ張った形になります。

 

 国内向け出荷の財別分類をみると、6月の資本財の国内向け出荷は前月比0.3%上昇と2か月連続前月比上昇ということもあり、他の財分類に比べると小幅な伸びとなっています。上昇への寄与レベルでは、最終需要財が生産財を上回っていますが、生産財も2か月ぶりに前月比1.3%上昇となっています。

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 また、輸出向け出荷の財別分類をみると、やはり生産財の寄与が圧倒的に大きくなっています。勿論、輸出向け出荷も前月比プラスですので、最終需要財も前月比プラスではありますが、資本財の輸出向け出荷は、2か月連続の前月比マイナスでした。ただ、この低下には船舶の輸出低下が響いており、輸送機械を除いた設備系の資本財の輸出向け出荷は前月比0.9%上昇で、2か月ぶりの上昇となっていました。

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 さらに、輸出向け出荷の仕向け先別の動きをみると、米国向け出荷が前月比10.4%上昇となり、5月の大幅な低下を回復しています。中国向け出荷も前月比2.9%上昇と、2か月ぶりに上昇となっています。ウェイトの大きい中国向けでは、はん用・生産用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業が前月比上昇寄与の大きい業種でした。米国向けでは、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業、電気機械工業が寄与の大きい業種でした。
 やはり、中国向け、米国向けともに設備系の業種の出荷が好調ですが、中国向けでは電子部品・デバイス工業が回復しており、米国向けでは輸送機械工業の堅調さが目立ちます。

 6月の鉱工業出荷は、2か月ぶりに前月比上昇となりました。寄与という面では、国内向け出荷の方が大きいのですが、輸出向け出荷の上昇幅の大きさが目を引き、5月とは正反対の結果でした。輸出向け出荷では、米国向け、中国向けといった、上位仕向け先への輸出が大きく上昇しおり、5月の大幅低下からの原動力となっていました。
 また、資本財の国内向け出荷は2か月連続の前月比上昇であり、輸送機械を除く資本財の輸出向け出荷も、中国向け、米国向けを中心に前月比上昇となっており、先月からの国内向けの資本財出荷ととともに、6月は資本財の輸出向け出荷も堅調な動きとなりました。


2.在庫、在庫率、在庫循環
 平成28年6月(確報)の在庫指数は113.9、前月比横ばいで、在庫率指数は117.8、前月比マイナス1.5%低下でした。出荷も上昇し在庫率は低下しましたが、生産が堅調だったこともあり、在庫水準は下がりませんでした。

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 主に、2か月連続上昇の鉄鋼業、や「ばん回」生産に入っている輸送機械工業では在庫が上昇したものの、出荷の伸びの大きかった「はん用・生産用・業務用機械工業」などの在庫低下によって、全体としては前月比横ばいといなっています。

 今年第2四半期の在庫、在庫率は、在庫指数が前期末比マイナス1.3%低下、前年同期末比横ばいと、あまり水準が高くならないようにコントロールされているようですが、在庫率は前期比0.2%上昇(5期連続)、前年同期比2.4%上昇(9期連続)と、出荷のレベルが今一つのため在庫率水準が下がらない状態が続いています。

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 四半期ごとの生産と在庫の前年同期比で見る「在庫循環図」においても、今年の第1四半期に一時的に「逆走」し、「(意図せざる)在庫積み上がり局面」に移行しかかりましたが、6月末の段階では、在庫調整が進捗し、在庫調整局面の「半ば」にまで局面が進んでいます。このまま、一気に在庫調整が進むことを期待したいところです。

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◎鉱工業図表集スライドショー

www.meti.go.jp

 

◎鉱工業生産、出荷、在庫指数

 

◎鉱工業出荷内訳表、総供給表